頭痛について
「頭痛」は頭部にのみ限られた痛みの総称になります。
頭にある、痛みを感じとる受容器や神経への刺激により、痛みを感じます。
★注意する症状★
①突然ぼーっとするなど意識がはっきりしない、身体の片側に力が入らない、ろれつが回らない、眼振などの神経症状や眼の症状がある場合(脳出血など)
②バットで殴られたような激しい痛みが突然起こり、局所に持続して痛み続ける
あるいは、痛みがどんどん強くなっていく場合(脳出血・脳腫瘍など)
③早朝に頭痛が強く、吐き気や嘔吐と伴うもの。嘔吐後に頭痛が楽になる場合(脳圧亢進症状)
※自分自身で緊急性のあるものかどうか確認する方法の一つとして、首の後ろを伸ばすように顎を胸に近づける方法があります。首を曲げて頭痛がひどくなる場合には緊急性のあるものかもしれません。すぐに病院へ受診してください。
頭痛の種類
最初に簡単に頭痛の種類について説明していきます。
頭痛には大きく分けて2つの種類があります。
・特に明確な病気があるわけではないのに繰り返し起こる頭痛 「一次性頭痛」
・病気などの原因があるもので起こる頭痛 「二次性頭痛」
一次性頭痛には「緊張性頭痛」「片頭痛」の2つに分かれます。
緊張性頭痛
ストレスやデスクワークなどで目の使い過ぎ、長時間同じ姿勢が続くことで筋肉が緊張し血流が悪くなることで起こる頭痛です。
頭が締め付けられるような痛みや重くだるい痛みがあります。
また、頭痛のほかに首肩コリやめまいなどの筋肉のコリが起きていることが多いです。
そのため、治療としては、筋肉の緊張をゆるめ血流の改善をし、頭痛を治していきます。
痛みのある所を中心に頭や首肩の筋肉の硬いところに治療を行っていきます。
片頭痛
頭の血管が広がったことにより血流が上がり頭痛が起こることをいいます。
ずきずきと拍動に合わせて痛む頭痛です。多くは片側の発症するため「片頭痛」といわれています。
疲労やストレスによって自律神経が乱れるために、血管運動に乱れが生じるために痛みが出やすくなります。
片頭痛には特徴的な「閃輝暗点(せんきあんてん)」という頭痛が起こる前に出る症状があります。
人によって目の前が暗くなったり、チカチカしたりする症状がでます。
頭痛中は血流がよくなっている為、顔が赤くなったり、目が充血したりすることもあります。治療としては、自律神経系の調節をし、血管運動を安定させることで頭痛の改善と予防をしていきます。
東洋医学的な考え方
頭痛の原因は様々ありますが、東洋医学的には大きく2つに分類できます。
①環境の変化などによる外からの刺激が原因になるもの
「外感病(がいかんびょう)」
②食生活の乱れや疲労、気持ちの変化など体の中で起こることが原因になるもの
「内傷病(ないしょうびょう)」
外感病
生活の不注意などにより風・寒・湿・熱などの外からの刺激「外邪」が身体の中に侵入することで起こります。
外感病による頭痛の特徴は、急に発症し痛みも激しくなるのが、慢性化はせずに治るのが特徴になります。
代表的なものに「風邪(ふうじゃ)」というものがあります。外から風の性質を持つ外邪が侵入すると一般的に風邪(かぜ)といわれるものと同じような症状がでます。
風邪には、寒気が起こるなどの「寒」の症状、発熱などの「熱」の症状、鼻水が出るなど「湿」の症状など様々な外邪の刺激と合わさり身体に侵入してきます。
それぞれ、「風寒」「風熱」「風湿」と風邪とそのほかの外邪が加わりこのように呼ばれます。
「風寒」では冷たい冷気により血管が細くなることで血行状態が悪くなり頭痛が起こります。
「風熱」では熱が頭に上ることにより、頭の血流が乱れることで頭痛が起こります。
「風湿」では湿が血流や気の巡りを塞いでしまうため、頭に気や血液が届かず頭痛が起こります。
内感病
東洋医学では「脳は髄の海」と呼ばれています。髄(ずい)とは、脳や脊髄に存在します。「肝」や「腎」によって蓄えられた血と「脾」によって食べ物から作らてた気により栄養されています。
脳を十分に栄養することで安定して精神活動や体の健康を保つことができます。
したがって、内傷病による頭痛は「肝」「腎」「脾」が密接な関係になります。
内傷病の特徴としては、頭痛が緩やかに発症し、激しすぎない痛みが時々起こり、身体が疲れたりストレスが溜まると起こるという慢性的な特徴があります。
代表的な頭痛を5つに分類分けをしました。
①肝陽(かんよう)の亢進による頭痛
肝にある熱が亢進し、熱が頭部に影響することでおこる頭痛
熱が原因となるため、口が乾く・顔が赤くなる・目が充血するなどの症状も出ます。
②痰濁(たんだく)による頭痛
湿気を持つ痰濁が、詰まってしまうことによって頭部に栄養を運ぶことができないことで起こる頭痛です。頭がぼんやりとし、重だるさや悪心、嘔吐が出ることもあります。
③瘀血(おけつ)による頭痛
血液の流れが悪いことを瘀血といい、古傷や長く病気になっていることなどが原因で血流が悪くなり起こる頭痛です。
チクチク痛む・毎回同じところが痛む・昔頭に傷を負ったことがあるなどが特徴です。
④腎虚(じんきょ)による頭痛
髄を栄養するための腎が老化などが原因で栄養補給ができなることで起こる頭痛です。
栄養が出来ないために、白髪が増えたり、疲れやすい、老けてきたなどの症状も見られます。
⑤気血両虚(きけつりょうきょ)による頭痛
身体のエネルギーとなる「気」と栄養を運ぶための「血」が足りなくなることで頭部を栄養できずに起こる頭痛です。立ち眩みがする・顔色が悪い・だらだらと汗が出るなどの症状が出る事もあります。
痛みの部位
痛みのある部位によっても分類わけできます。
・前額部から眉間にかけて痛むものは陽明経頭痛(大腸経・胃経)
・両側または一側の側頭部が痛むものは少陽経頭痛(三焦経・胆経)
・頭頂部が痛むものは厥陰経頭痛(心包経・肝経)
・後頭部から首、背中にかけて痛むものは太陽経頭痛(小腸経・膀胱経)
このように、痛みの部位によって身体を流れる経脈を使い治療を行っていきます。
頭痛の治療法
頭痛の原因によっても治療法は変わりますが、今の患者様のお体の状態を「舌」「脈」「腹」「背中」を見て症状をしっかり聞き治療方針を決めていきます。
頭痛が起こってしまう原因になるものに「ストレス」が大きく関係します。このストレスにより「自律神経」が乱れてしまうため、頭痛が起こらない身体づくりとして自律神経の治療を行います。
鍼灸治療では、鍼やお灸で手足にあるツボを刺激すると、自律神経系・免疫系・内分泌系・骨格筋・神経系と身体の様々なところへ作用します。
鍼やお灸によって身体の外側から刺激を与えることで、「体性ー内臓反射」という反射が起こり、内臓器へ反射をひきおこすことができます。この反射によって乱れた自律神経が正常に整えることができます。
東洋医学的に診た体の状態に対する治療に加え、自律神経を整える治療をすることにより頭痛の予防を行っていきます。
最後に!!
自律神経の治療は、鍼灸治療の得意とする分野です。
鍼灸治療に加えて当院では、「自律神経測定機」という測定器があります。この機械によって交感神経と副交感神経のバランスをリアルタイムで測ることができます。自分では気づきにくい自律神経の乱れを客観的に確認する事ができ、さらに定期的に測定器で測ることで、治療経過や症状の改善度合いを自分自身で知ることができます。そのため「自律神経測定器」より効果的に治療を進めていくことが可能になります。
自分でも原因のわからない症状、なかなか良くならない症状でお困りの方はぜひ当院で自律神経の乱れを整えてみませんか?自律神経のことでお悩みの方やそのほか体の不調のお悩みの方も一度当院へお越しください。
東洋医学的な考え方
東洋医学的な考え方
自律神経の治療は、鍼灸治療の得意とする分野です。
鍼灸治療に加えて当院では、「自律神経測定機」という測定器があります。この機械によって交感神経と副交感神経のバランスをリアルタイムで測ることができます。自分では気づきにくい自律神経の乱れを客観的に確認する事ができ、さらに定期的に測定器で測ることで、治療経過や症状の改善度合いを自分自身で知ることができます。そのため「自律神経測定器」より効果的に治療を進めていくことが可能になります。
自分でも原因のわからない症状、なかなか良くならない症状でお困りの方はぜひ当院で自律神経の乱れを整えてみませんか?自律神経のことでお悩みの方やそのほか体の不調のお悩みの方も一度当院へお越しください。