耳鳴りとは
耳鳴りとは、周囲の音がない状態でも耳の奥で何か音が鳴っているように感じる状態です。人によってその音が「キーン」「ジー」「ドクドク」などと感じ方は変わってきます。
耳鳴りは、特に周囲が騒がしくなく音がない状態で特に気になる場合が多く、就寝時に気なり睡眠の妨げになったりと日常生活でも多くの支障をきたしてしまいます。すると、睡眠障害や自律神経の乱れに繋がり、耳鳴りから別の疾患にも波及してしまう危険性があります。また、脳卒中や高血圧、中耳炎等でも耳鳴りの症状が出る場合もあり、よくある耳鳴りだからといって処置をせずにそのままに放置してしまうと危険な場合もあり注意が必要です。
耳鳴りには、自覚的耳鳴りと他覚的耳鳴りとがあります。自覚的耳鳴りは、自分にしか聞くことができない耳鳴りで一般的に耳鳴りというと自覚的耳鳴りが当てはまり、他覚的耳鳴りよりも多いです。一方、他覚的耳鳴りとは他の人にも聞こえる耳鳴りです。他の人にも聞こえる耳鳴りと言われるとピンとこないかもしれませんが、聴診器で耳周囲に当てることでその方が聞こえている耳鳴りの音を聞くことができる場合、他覚的耳鳴りといいます。
耳鳴りの原因
耳の構造は大きく分けて、外耳・中耳・内耳の3つに分けられます。外耳は体表に出ている私たちにも見ることが可能な部分の耳介と中耳までの空洞の外耳道からなります。外耳の主な働きは外界からの音を集めることです。そして中耳は、鼓膜を振動させることで伝わってきた音を増幅させて内耳に伝えます。内耳に増幅されて伝えられた音は蝸牛という器官で有毛細胞によって電気信号に変換されて脳へと伝わっていき音として感じられるのです。
この音が脳に伝えれれる過程でどこか不具合が生じて耳鳴りとして感じられます。耳鳴りの原因として、加齢によるもの・突発性難聴・メニエール病・環境原因・脳疾患が挙げれます。その他、耳鼻科で監査を受けても特に原因が特定されずに原因不明の場合も多くあります。
加齢による耳鳴り
年齢を重ねるごとに耳が遠くなる老人性難聴は一般的によく知られていますが、耳鳴りも60代までは加齢とともに増加すると言われています。耳鳴りの原因で一番多いのがこの老人性の耳鳴りです。内耳にある音の感覚細胞は老化によって壊れてしまい音が聞き取りづらくなってしまいます。老人性難聴は両耳の起こることが多く、音がこもったように聞こえます。すると、脳は音が聞こえづらくなっていると思い音の信号への感度をあげようとして耳鳴りとして感じられるのです。
突発性難聴
突発性難聴とはその名の通り、ある日突然に聴力が弱くなってしまう疾患です。多くは片耳に起こり、50歳代で発症率が高くなると言われています。聴力の低下とともに耳鳴りやめまい、吐き気が症状として出ることがあります。特に耳鳴りは高い確率で併発します。
突発性難聴の原因は詳しく解明されていませんが、ウィルス感染が原因という説や内耳の血液循環が悪くなっているという説があります。
メニエール病
メニエール病は耳鳴りと難聴、ぐるぐると目が回るような回転性のめまいが出ることが特徴です。耳鳴りは低音で響くことが多いです。メニエール病の原因は内リンパ水腫だと考えられていますが詳しくわかっていません。そのためストレスによる自律神経の乱れなども関係すると言われています。
機能の低下や異常は必要な血流が悪くなっても起こります。各組織への栄養や排出などは全身の巡りが悪くなると現れます。悪くなってくると細かい作りの器官は影響が大きいと考えます。
環境原因
ヘッドホンやライブなどで大きな音を長時間聞いたり、仕事などで常に騒音にさらされているような環境ですと内耳の感覚細胞が損傷を受けて耳鳴りが発症することがあります。また、ストレスの多い環境、睡眠時間の減少、過労なども耳鳴りの原因となると言われています。