突然耳が聞こえなくなったら
耳の病気の一つに突発性難聴(とっぱつせいなんちよう)と言うものがあります。
これはある時突然耳が聞こえなくなってしまう病気です。
何の前触れもなくやってくる突発性難聴ですが、そのうち治るだろうと放置してはダメです。
突発性難聴かどうかは分からなくても、突然耳が聞こえなくなったら、とにかくその日のうちに耳鼻科へ受診してください。
突発性難聴の回復には出来る限り早く治療を開始する事です。
病院ではおそらくほとんどが1〜2週間のステロイド治療(服薬)になる事が多いです。
およそ3割の人はこのステロイドで改善していくという論文もあります。
ただし投薬治療の開始が遅くなればなるほど効きが悪くなる傾向にあるとの事です。
後述するように鍼灸も有効なケースは多いですが、まずは耳鼻科受診と治療が最優先となります。
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ステロイドが効かないケースも
病院でのステロイド治療で良くなるケースはおよそ3割ほどです。
ステロイドが効かない場合、病院でやれる事はほとんどないのが現状です。
当院にいらっしゃる突発性難聴の方は、ほとんどが病院での治療で改善しないために鍼灸を試してみようと言う方々です。
ですので早い方で発症から1週間後、遅い方は数ヶ月後に来院される事があります。
大体は2週間〜3ヶ月後のケースが多いです。
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発症から早い方が回復しやすい
病院での治療と同じように、鍼灸施術も突発性難聴の発症から出来る限り早く開始した方が回復しやすい傾向にあります。
特に1ヶ月以内に施術を開始できると回復するケースが多いです。
逆に3ヶ月以上経過しているケースでは改善しなかったり、改善したとしても半減くらいにとどまる事が経験的に感じています。
そのため突然耳が聞こえなくなったら、①その日のうちに耳鼻科受診、②その週のうちに鍼灸施術開始、が最も回復しやすいと感じています。
鍼灸はステロイド治療と並行して行う事ができますので、ステロイド治療が終わってからではなく、同時に施術を行った方が良いです。
ステロイドが効かなくて病院を変えたり、他の治療法を色々探してるうちに1ヶ月以上経過してしまうと、鍼灸でも回復までに時間がかかってしまいます。
(当院に来院される方のほとんどがこのような経過を辿っています)
もう少し早く来てくれれば、、、と思う事も少なくありません。
また突発性難聴の場合、施術頻度も重要で、週2回は最低でも施術が必要となります。
週1回でも変わらなくは無いのですが、時間がかかったり、完全に良くなりきらないケースも出てきてしまいます。
多くは5〜10回くらいで症状が気にならない程度まで回復しますが、まれに3ヶ月以上かかる事もあります。
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突発性難聴の鍼灸施術(院長施術)
当院院長は整動鍼®️という特殊な施術方法を行なっております。
突発性難聴の場合、首、アゴ、胸の状態が重要で、その辺りに異常な緊張があれば調整していきます。
この辺りの緊張が耳の内部の緊張につながったり、血流を阻害していると考えられます。
首、アゴ、胸などの緊張が落ち着いてくると耳の症状が回復していきます。
使う鍼の本数は10本前後です。
首、アゴ、胸などの緊張部位によってツボを使い分けていきます。
例えばアゴ(耳の下のくぼみ)に緊張がある場合、手首のツボを使って調整したり、首の横にあるスジに緊張があれば、殿部や手のツボを使っていきます、
このように首、アゴ、胸の緊張は全身にあるツボの影響を受けていて、そのツボの緊張が取れないと患部の緊張も抜けてこないんです。
ですので、首やアゴ、胸周りに鍼をする事はほとんどありません。
整動鍼®️は少ない本数なので体への負担も少ないです。
また耳の近くには鍼をしないため、鍼によって耳の状態が悪化する事も基本的に無いです。
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まとめ
⚫︎突然耳が聞こえなくなったらその日のうちに耳鼻科受診
⚫︎その週には鍼灸施術開始
⚫︎週2回以上の頻度での施術が良い
⚫︎首、アゴ、胸周りの緊張を整えるツボを使う
⚫︎整動鍼は体への負担が普通の鍼灸に比べて少ない
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