嗅覚障害とは、においを正常に感じることが出来ない状態で、まったくにおいを感じられない、特定のにおいが感じられるがにおいが感じない場合もあるというものから嗅覚が敏感になりすぎて異臭に耐えられないという場合もあります。また、嗅覚は味覚を感じる際にも重要な役割を果たしているため、嗅覚障害となってしまうと味覚も感じにくく障害されます。風邪や鼻炎時に鼻が詰まってしまい食べ物の味を感じなにくくなった経験がある方も多いのではないでしょうか。
においを感じるメカニズム
においの元となる空気中の物質は、鼻の穴を通って鼻腔という空洞にたどり着きます。そして、鼻腔の最上部にある嗅上皮と言われる特別な粘膜がそれを探知して嗅細胞が電気信号に変えて嗅神経から臭球、脳へと電気信号が伝わりはじめてにおいを感じられるのです。嗅上皮の粘膜層には嗅覚受容体いい、においを探知するセンサーがあり、人間では約400種類の嗅覚受容体があると言われています。
また、嗅覚には順応性があると言われています。しばらくの間においを嗅いでいるとそのにおいを感じにくくなるといった特徴のことです。お部屋が特徴的なにおいをしていてもしばらくするとそのにおいを感じられなくなるといった現象は正常で嗅覚が順応しているのです。
嗅覚障害の原因
嗅覚障害の原因は主に慢性副鼻腔炎と風邪などのウィルス感染が原因でその2つだけでも嗅覚障害原因の約80%ほども占めると言われています。その他にも薬剤性のものであったり、外傷、脳の障害などが挙げられます。
嗅覚障害は、その不具合が生じている部分によって主に3つにわけることが出来ます。
呼吸性嗅覚障害
呼吸性嗅覚障害は、におい物質が嗅上皮まで届くルートが何らかの原因で阻害されてにおいを感じにくいまたは感じられない場合のことを指します。よく見られるのがアレルギー性鼻炎です。花粉症などで鼻が詰まる鼻閉の状態となるとにおい物質が嗅上皮まで到達しないために嗅覚に障害が出ます。しかし、鼻閉が取れるとまたにおいを感じられるようになります。その他、慢性副鼻腔炎でも鼻が詰まる呼吸性の障害が生じることが多く、慢性副鼻腔炎での嗅覚障害も呼吸性の嗅覚障害に当てはまります。また、鼻中隔が湾曲してしまって嗅覚障害が出ることもあります。
末梢性嗅覚障害
末梢性嗅覚障害は、嗅上皮の障害が主な原因となります。風邪やインフルエンザなどのウィルスが嗅上皮までいたり、嗅上皮が萎縮や炎症を起こしてしまうことで嗅覚に異常が出ます。また、刺激性のガスの吸引や高齢者などでも嗅上皮に萎縮障害が起きてにおいの低下に繋がることもあります。慢性副鼻腔炎は、呼吸性嗅覚障害と末梢性嗅覚障害の二つが起きていることもあり、注意が必要です。
その他頭部を強打してしまうことで神経が断裂してしまい嗅覚障害が起きる場合も末梢性の嗅覚障害といいます。
中枢神経性嗅覚障害
嗅神経は12対ある脳神経の第一脳神経であるため脳腫瘍や脳出血などでも嗅覚に障害が出ることもあります。
その他
アルツハイマー病やパーキンソン病の初期症状としても嗅覚障害が出ることがあります。また、検査をしても原因を特定できない嗅覚障害も多く、うつ病や自律神経失調症などの精神疾患など心因性が嗅覚障害を引き起こしてしまっている場合もあります。精神疾患が原因で嗅覚に異常が出ている場合、嗅覚が異常に敏感になり、少しの悪臭にも耐えられないという症状の出方もあります。
嗅覚障害の一般的治療
嗅覚に異常が出ている原因が出ているタイプによっても異なってきます。呼吸性嗅覚障害の場合、ネブライザー等で鼻の通りを良くしたり、鼻粘膜の炎症や腫れを引かせます。ポリープなどが原因の場合それをと除く内視鏡手術が選択される場合や脳腫瘍で起きている場合にもそれを取り除く手術が行われます。
嗅覚障害の東洋医学
東洋医学では、鼻や嗅覚の疾患は五臓六腑の『肺』と深い関係にあると考えられています。肺には、気をつかさどるという機能があると考えられ、それは呼吸機能に当てはまります。肺の機能が弱まると呼吸機能が低下して鼻にも障害出てしまうと捉えられます。その他、外から侵入してきた邪気に抵抗して体外に排除するという防衛機能も備えています。よって肺が弱くなると、防衛機能が低下してしまい、ウィルスや細菌などの邪気が体内に侵入しやすい状態となってしまうのです。それが鼻炎鼻づまりの状態となってしまい嗅覚障害をまねきます。
嗅覚障害に対する三茶はりきゅう院の治療
嗅覚障害に対する三軒茶屋α鍼灸院の治療は、鼻まわりの鍼灸施術を行うことで鼻まわりの循環を改善して鼻の通りを良くします。また、刺した鍼に微弱な電気を流すことで神経に刺激を与えることも行っていく場合もあります。
顔の部分鼻まわりは痛みに対して敏感な場所でもありますので刺激量はその方に合わせて施術していきます。
その他、東洋医学の考えである五臓六腑の『肺』のツボを用いていくことで肺の機能を高めていったり、全身的な施術で自律神経の状態も整えていきます。初診の問診時に必要と感じられた場合は、自律神経測定器で自律神経の状態も計測していきます。
全体的な自律神経のバランスや東洋医学的な五臓六腑の状態を整え、さらに局所的に鼻まわりの施術を行うことで高い施術効果が期待できるのです。