卵巣周期
卵胞期は1つの卵胞が発育し排卵前までの期間で、約10-14日間ある。その後、黄体期になり排卵から月経開始までの期間を指す。
子宮内膜周期
増殖期は卵巣から分泌されるホルモン(エストロゲン)作用により子宮内膜の増殖がみられる期間。
この増殖期は卵巣周期の卵胞期と同じ時期になる。
その後、分泌期となりホルモン(プロゲステロン)作用により内膜腺細胞の分泌が盛んになる。
卵巣周期の黄体期と同じ時期である。
正常な月経は…
初潮は約12歳
月経周期は25-38日前後(月経開始日から次の月経開始日の前日まで)
月経日数は3-7日間
経色は暗い紅色
経質は粘稠度あり
血塊や悪臭はなし
月経痛はなし
無排卵周期症
無排卵周期症とは、月経はあるが排卵を伴わない状態の事。
脳にある視床下部-下垂体-卵巣に何かしらの強いストレスが加わると月経異常が生じる可能性がある。
卵巣機能が未熟(思春期)、機能低下(更年期)で見られる事が多い。
月経困難症
月経困難症は、月経期間中に、随伴して起こる病的症状の事で生活に支障をきたす(治療対象になる)場合を指す。
経血の流出障害やプロスタグランジン(痛みを増幅させる物質)亢進による子宮の過収縮や、それに伴う子宮の虚血などに起因する。
心理的な面も月経困難症に深く関わる。
機能性月経困難症は、
器質的なものがなく月経困難症を伴うもの。
器質性月経困難症は、
子宮内膜症.子宮筋腫などが原因になるもの。
月経前症候群
PMS:premenstrual syndrome
月経前(3-10日)の黄体後期に発症する多種多様な病態。
月経が始まれば消失する。
ホルモン状態に起因する身体的な症状
疲労感.腰痛.頭痛.浮腫など
ホルモン状態に起因する精神的な症状
気分の変動.抑うつ気分など
精神状態が強い場合は、月経前不快気分障害(PMDD: premenstrual dysphoric disorder)という。
更年期障害
器質的変化に関係しない、日常生活に支障をきたす病態を更年期障害という。
原因は主に卵巣機能の低下である。
加齢により身体的変化.精神的な要因などの影響をうける。
西洋医学に基づく鍼灸治療
機能性月経困難症
デルマトームの反応点を治療点にする。
使用経穴は脾兪.胃兪.三焦兪.腎兪.次髎.関元など
月経前症候群(PMS).更年期障害
全身の筋緊張はイライラ.抑うつ気分.睡眠障害.むくみを誘発させるため、筋緊張緩和を目的に治療を行う。
生活指導
①食事のバランス
カフェインやアルコールの過剰摂取は症状を悪化させる可能性がある為、控える。
②ストレス軽減
十分な睡眠.有酸素運動.入浴.趣味など、自分に合ったものを選ぶ。
タバコは症状悪化する可能性があり控える。
③身体を冷やさない
冷たい飲み物.食べ物の過剰摂取は症状を増強させる。