緑内障の症状
視野障害の進行として目の中心から少しずれた場所に暗点ができる。
実際にはその暗点は両目で見ることにより補われたり、目を動かすことにより気付かないことが多い。
症状が進行すると暗点は徐々に拡大していく。
放置すると失明に至る場合も少なくない。
緑内障は糖尿病性網膜症を抜いて、失明原因のトップとなっている。
原発閉塞隅角緑内障
虹彩と水晶体の間で房水が流れにくくなり、房水が溜まる事で虹彩が前に押し付けられ隅角を塞いでしまう。
閉塞隅角緑内障では、急性緑内障発作を引き起こし、急激に眼圧が上昇する事で失明のリスクも高まる。
眼痛.頭痛.吐き気.嘔吐などの症状がみられる。
他覚的所見としては、瞳孔散大や結膜の充血も強くみられる。
中高年の女性に多いとされる。
原発開放隅角緑内障
隅角の房水の排出路が目詰まりし、房水の流れが悪くなって、少しずつ眼圧が上昇していく。
眼圧の高い状態が続くと視神経が障害されて、次第に視野が狭くなって視力も低下していく。
頭痛.軽い眼痛.眼のかすみといった症状が見られる。
原発開放隅角緑内障は、眼圧の高さにより2つに分けられる。
1.正常眼圧緑内障→眼圧が正常範囲(10-20mmHg)
日本人で一番多い。
個人差もあり低い眼圧でも視神経障害を起こすことがある。
眼圧が正常であること以外は原発開放隅角緑内障と同じ症状が現れる。
2.原発開放隅角緑内障→眼圧が20mmHgより高い。
続発緑内障
ステロイド薬の長期点眼.外傷.眼内腫瘍.網膜疾患などや薬の副作用でも緑内障が起こる。
特に抗精神薬.抗不安薬.睡眠導入剤において目の副作用として原発閉塞隅角緑内障がある。
先天緑内障
生まれつき隅角の形成不全による房水の流出障害で起こる。
自覚的に羞明(しゅうめい)や混濁などの症状がある。
東洋医学での病態
東洋医学では、目と「肝」は深い関係にあり、肝血によって滋養され、その機能を発揮する。
「肝腎陰虚」長期間のストレス.過労.加齢などが原因で目の症状を発症する。
目の症状と耳鳴り.難聴.寝汗.口の渇きなども見られる。
「肝血虚」手術.出産.過労により血を損傷させたり、飲食不節などにより肝血不足になり、目を滋養することが出来なくなり、目に症状が現れる。
鍼灸治療
鍼灸治療で障害された視神経を回復させる方法はないが、早期治療により緑内障の進行を抑えることは可能になる。
眼の血流改善や毛様体筋の機能向上を目的として、攅竹穴.太陽穴.四白穴.天柱穴.風池穴などの経穴を、首肩の筋緊張を緩和する目的で、天柱穴.肩井穴.肩外兪.肩中兪などの経穴を使用する。
「肝血虚」「肝腎陰虚」などの症状は、三陰交穴.曲泉穴.太渓穴などの「肝.腎」を補う治療を行う。
自律神経のバランスを調整する事で、人間が本来備わっている正常に戻そうとする力(自然治癒力)を引き出す。
生活習慣の改善
①睡眠時間を確保する
②適度な休息.軽い運動(有酸素運動)
③バランスの良い食事.腹八分目を心がける
④アルコールや過度な糖分摂取は控える