主な原因は…
ストレスや緊張などの精神的なものが多く、人間関係や生活環境からくる過度なストレス、緊張する場面に遭遇する事で食いしばりは起こりやすいと言える。
食いしばると…
食いしばりの癖は、1日数時間にわたり、大きな力で上下の歯を噛み合わせる状態にあり、顎にも大きな負担がかかる。
顎関節症や無呼吸症候群の原因にもなり、唾液腺を圧迫する事で口腔内の乾燥、強く噛む事で歯の動揺や歯が欠る.割れる.ヒビが入るなどの症状も見られ、歯周病がある方はそれが原因で食いしばりが悪化する事もある。
随伴症状
よくある症状は、頭痛や首こり、表情筋が過緊張する事で起きる顔面痛などがある。
噛みしめる事で側頭筋が筋緊張することにより頭痛を起こしやすくなり、咬筋などの咀嚼筋が緊張すると肩や首の筋肉も過緊張し、肩こり.首こりの原因になる。
治療法
治療法としては、
①マウスピース療法(意識に行っている就寝中にマウスピースを装着して行う療法)
②行動変容療法(意識を変えていく療法)
③ボトックス療法(筋肉を弛緩させる効果のあるボツリヌス菌を注入する療法)
などがある。
鍼灸治療
食いしばり症状をお持ちの方は、ストレスや過労が原因で自律神経のバランスを崩している事が多い。
日中、優位になる交感神経が就寝時に優位になってしまうことで口を閉める筋肉が緊張し、食いしばりを起こすと考える。
鍼やお灸を使い、乱れた自律神経を整える事で筋肉の過緊張を緩和し、血行を促進して症状の改善をはかる。
東洋医学では「肝.心」に関わる経穴に刺激を与えることで食いしばりの影響による顎や首.肩.側頭筋の筋肉の過緊張を取り除き、顎関節周囲にかかる負担を軽減させる治療を行う。
自律神経機能を改善する治療としては、手三里穴.合谷穴.足三里穴などの経穴を使い、疼痛緩和として使用する経穴は、合谷穴.下関.頰車穴などがある。
最後に…
食いしばりはストレスに対する防御反応として生じる生理現象でもあるため、現代社会では多く見られます。
生活習慣の影響も自律神経に関係するため、バランスの良い食事や睡眠、適度な運動など、生活習慣の見直しも行う必要がある。