主な原因は…
加齢に伴い卵巣機能が低下する事でエストロゲン(女性ホルモン)分泌も低下し、自律神経をコントロールしている脳(視床下部)が更に卵巣へホルモン分泌の指令を送る事で体温調節などを行う自律神経が乱れ、異常な発汗.イライラ.めまい等の症状がでる。
加齢に伴い身体的変化.精神心理的な要因.環境因子も関わる。
東洋医学に基づく病態
「腎気」の衰え(腎陰虚.腎陽虚)によるものと考える。
「腎」は蔵精.発育と生殖を主るといわれ、人の生殖能力に大きく関わっている。
「腎陰虚」は腎陰の不足により、腎陽をコントロール出来なくなり、腎火が亢盛となり、病的な熱症状がおきる。
症状としては、頭.顔面部のほてり感.手足心熱.盗汗(寝汗)などがある。
発汗を伴うホットフラッシュは陰虚によるものが多いとされる。
腎陰虚の原因としては加齢や慢性的な病気.発熱を伴う病気などが代表的。
「腎陽虚」は全身の陽気の根本である腎陽が衰弱し、陰寒が内生し寒象が現れる。
腎の陰陽失調から「心.肝」に波及し、
「肝陽上亢」ほてりやのぼせの症状にイライラ.頭痛.耳鳴り等も出現する。
「心腎不交」ほてりやのぼせの症状に不眠.心悸(動悸)などがおきる。
「心火亢盛」興奮状態になり、心悸(動悸).不眠.多夢.言動に異常がみられる等の症状がみられる。
鍼灸治療
筋緊張緩和を目的に自律神経を整える治癒を行う。体温調節機能をコントロール回復させ、イライラや不眠の軽減に繋げる。
腎陰虚によるのぼせ症状は、腎経の穴をメインに「気」を補う治療を行う(太渓穴.復溜穴.腎兪穴.関元穴など)
また、中医学では手足や体の内部の冷えからほてりやのぼせが起こると考えるため、お灸の刺激により体の冷えた部分を温めて血行を良くしていく。
のぼせやほてりのある方は首や肩回りの筋緊張が影響し頭部や顔面の血流が鬱滞している場合が多いため首肩周囲の治療も合わせて行っていく。
西洋医学の治療
治療法としては、生活習慣の改善.漢方療法.減少したエストロゲンを薬で補充するホルモン補充療法(HRT).抗うつ薬.非薬物療法(心理療法やカウンセリング)などがある。