鵞足炎とは
鵞足炎(がそくえん)は、膝の内側にある「鵞足」と呼ばれる部分に炎症が起こる病気です。
鵞足とは、縫工筋、半腱様筋、薄筋という3つの筋肉の腱が合わさって、脛骨(脛の骨)の内側につく部分のことを指します。
この部分に繰り返し負荷がかかることで、炎症が起こり、痛みや腫れが生じます。
原因
◯スポーツ:ランニング、バスケットボール、バレーボールなど、膝を曲げ伸ばしするスポーツを頻繁に行う人
○運動不足からの急に激しい運動:長い間運動をしていない人が、いきなり激しい運動を始めると発症しやすい
○長時間の立ち仕事:同じ姿勢で長時間立っている仕事をしている人
◯肥満:体重が重い人
○足の骨の変形:O脚など、足の骨が変形している人
症状
◯膝の内側の痛み
○腫れ
○痛みが増す動作:階段の上り下り、長時間立つ、運動など
○触れると痛みがある
鵞足炎と鍼灸
鍼灸施術が鵞足炎に有効な理由
○筋肉の緊張緩和: 鍼灸治療は、緊張した筋肉を弛緩させ、血流を改善することで、炎症を鎮める効果が期待できます。鵞足炎は、3つの筋肉の腱が骨につく部分に炎症が起こるため、これらの筋肉の緊張を緩和することは非常に重要です。
○痛みの軽減: 鍼灸治療は、痛みを感じる経穴(ツボ)に鍼を刺したり、お灸を据えることで、痛みの伝達を阻害し、痛みを軽減する効果があります。
○気血の流れの改善: 鍼灸治療は、体内の気血の流れを調整することで、自己治癒力を高め、体のバランスを整える効果があります。
○炎症の抑制: 鍼灸治療は、炎症部位への血流を改善し、炎症物質の除去を促進することで、炎症を抑える効果が期待できます。
鵞足炎に効果的な経穴
膝眼(しつがん)
鵞足そのものにある経穴で、直接的な鎮痛効果が期待できます。
陰陵泉(いんりょうせん)
湿熱を清熱し、痛みを鎮める効果があります。
血海(けっかい)
血の巡りを良くし、痛みを改善する効果があります。
陽陵泉(ようりょうせん)
下肢の筋肉の緊張を緩め、痛みを鎮める効果があります。
崑崙(こんろん)
腰膝の痛みを改善する効果があります。