腸脛靭帯炎とは
腸脛靭帯炎は、膝の外側が痛むスポーツ障害の一つで、特にランナーに多くみられます。ランナー膝とも呼ばれます。
腸脛靭帯とは、太ももの外側を走り、膝の外側につく太くて強い靭帯です。この靭帯が、膝の動きに合わせて骨と繰り返し摩擦を起こすことで炎症を起こし、痛みを生じます。
腸脛靭帯炎の原因
◯過度の運動:ランニング、ジョギング、サイクリングなどの反復運動が主な原因です。
◯フォームの乱れ:走り方や自転車の乗り方が悪いと、膝への負担が増加し、腸脛靭帯炎を引き起こしやすくなります。
◯筋肉の柔軟性不足:大腿四頭筋やハムストリングスの柔軟性が低いと、腸脛靭帯に過度の負担がかかります。
◯O脚:O脚の人は、膝の外側に力がかかりやすく、腸脛靭帯炎になりやすい傾向があります。
◯靴:マラソンシューズなど、クッション性が低い靴を履いていると、衝撃が膝に伝わりやすくなり、腸脛靭帯炎を引き起こす可能性があります。
腸脛靭帯炎の症状
◯膝の外側の痛み:走り始めや長時間走ると痛みが増強します。
○腫れ:痛みのある部分に腫れが生じることがあります。
○圧痛:痛む部分を押すと痛みを感じます。
関節の動きが悪くなる: 膝を曲げたり伸ばしたりするときに痛みを感じ、動きが制限されることがあります。
腸脛靭帯炎の治療法
○安静: 痛みが強い場合は、運動を控え、患部を休ませます。
○アイシング: 腫れや痛みがある場合は、アイシングで炎症を抑えます。
○ストレッチ: 大腿四頭筋やハムストリングスのストレッチを行い、筋肉の柔軟性を高めます。
○運動療法: 専門家の指導のもと、正しいフォームでの運動を行います。
○物理療法: 鍼灸治療や超音波治療など、物理療法を受けることもあります。
○薬物療法: 消炎鎮痛剤や湿布薬を使用する場合もあります。
○インソール: 靴にインソールを入れることで、足のアーチをサポートし、膝への負担を軽減します。
腸脛靭帯炎に対する鍼灸
鍼灸施術が有効的な理由
◯血行促進:鍼を刺すことで、局所の血行が促進され、炎症物質の除去を促し、痛みの緩和に繋がります。
○筋肉の弛緩:腸脛靭帯周囲の筋肉(大腿四頭筋、ハムストリングスなど)の緊張を緩めることで、靭帯への負担を軽減します。
○自律神経の調整: 自律神経のバランスを整え、自然治癒力を高めます。
腸脛靭帯炎に対する効果
○痛み軽減:炎症を抑え、痛みの緩和が期待できます。
○腫れの減少:患部の血行を促進し、腫れを軽減します。
○筋肉の柔軟性向上:筋肉の緊張を解き、柔軟性を高めることで、再発予防に繋がります。
○回復期間の短縮:鍼灸治療と併用することで、通常の治療よりも早く回復できる可能性があります。
腸脛靭帯炎に有効的なツボ
風市(ふうし)
腸脛靭帯炎の痛みや炎症に最も直接的に作用するツボです。このツボへの鍼灸治療は、痛みの軽減に特に効果が期待できます。
足三里(あしさんり)
消化器系の調整だけでなく、全身の気血の流れを改善し、免疫力を高める効果も期待できます。
陽陵泉(ようりょうせん)
膝の外側にあるツボで、膝の関節の動きをスムーズにする効果があります。