肩こりとは
首すじ、首のつけ根から、肩または背中にかけて張った、凝った、痛いなどの感じがし、頭痛や吐き気を伴うことがあります。
肩こりに関係する筋肉はいろいろありますが、首の後ろから肩、背中にかけて張っている僧帽筋という幅広い筋肉がその中心になります。
原因
首や背中が緊張するような姿勢での作業、姿勢の良くない人(猫背・前かがみ)、運動不足、精神的なストレス、なで肩、連続して長時間同じ姿勢をとること、ショルダーバッグ、冷房などが原因になります。
症状
◯首や肩、背中が重い、だるい
○首や肩が張る
○痛みを感じる(ズキズキする、重だるいなど)
肩こりによる主な随伴症状
○頭痛:特に後頭部や側頭部の重だるい痛み、締め付けられるような痛みを感じることがあります。これは、肩や首の筋肉の緊張が頭部の血管を圧迫し、血流が悪くなることで起こります。
○めまい:首の筋肉の緊張が、脳への血流を妨げ、めまいを引き起こすことがあります。
○吐き気:めまいや頭痛がひどい場合、吐き気を伴うこともあります。
○耳鳴り: 首や肩の筋肉の緊張が、内耳の血流を悪くし、耳鳴りを引き起こすことがあります。
○集中力の低下:肩こりによる不快感や痛みは、集中力を低下させ、仕事や勉強に支障をきたすことがあります。
○イライラ感:長期的な肩こりは、精神的なストレスとなり、イライラ感や不安感などの精神的な症状を引き起こすことがあります。
○不眠:肩こりによる痛みや不快感が、睡眠の質を低下させ、不眠の原因となることがあります。
肩こりと東洋医学
東洋医学における肩こりの原因
○気の流れの滞り: 東洋医学では、体には「気」という生命エネルギーが流れていると考えられています。この「気」の流れが滞ると、血流も悪くなり、肩こりや様々な不調を引き起こすと考えられています。
○血の滞り: 血の巡りが悪くなることで、筋肉に老廃物が溜まり、こりや痛みを生じると考えられます。
○寒邪(かんじゃ)の影響: 外からの寒気が体内に侵入し、経絡(けいらく)の流れを阻害することで、肩こりが起こると考えられています。
○湿邪(しつじゃ)の影響: 湿気によって体が重だるくなり、気の流れを滞らせ、肩こりを引き起こすことがあります。
東洋医学で考える肩こりのタイプ
【気滞タイプ】 ストレスや怒りなどによって気が滞り、肩が張って痛むタイプです。
【血瘀タイプ】 血の巡りが悪く、肩が重だるく、痛みを感じやすいタイプです。
【寒湿タイプ】 冷えによって体が重だるくなり、肩がこりやすいタイプです。
なぜ鍼灸が肩こりに効果的なのか?
《血行改善》 鍼を刺すことで、局所の血行が改善され、筋肉の緊張が緩みます。
《経絡の調整》 体には経絡と呼ばれるエネルギーの通り道があり、鍼を刺すことで経絡の流れを整え、体のバランスを調整します。
《自律神経の調整》 鍼灸は自律神経のバランスを整える効果もあると言われています。自律神経のバランスが乱れると、筋肉が緊張しやすくなり、肩こりを悪化させることがあります。
《痛みの緩和》 鍼を刺すことで、痛みを感じる神経の働きを抑制し、痛みを和らげます。