食いしばりとは
食いしばりとは、無意識のうちに歯を強く噛み締めてしまう状態を指します。就寝中だけでなく、日中の仕事中や集中している時など、様々な場面で起こることがあります。
食いしばりの主な症状
○歯の痛み:歯がしみたり、痛んだりすることがあります。
○顎の痛み:顎関節に痛みを感じたり、口が開けにくくなったりします。
○頭痛:特にこめかみや頭の後ろが痛むことがあります。
○肩こり:首や肩の筋肉が緊張し、こりを感じやすくなります。
○耳鳴り:耳鳴りがすることがあります。
○顔の筋肉の痛み:顔の筋肉がこわばり、痛みを感じる場合があります。
○睡眠の質の低下:食いしばりが原因で夜中に何度も目が覚めてしまい、睡眠の質が低下する可能性があります。
食いしばりの原因
食いしばりの原因は、まだ完全に解明されていない部分もありますが、いくつかの要因が考えられています。
◯ストレス:日常生活でのストレス、仕事や人間関係での悩み、不安感などが、食いしばりを誘発する可能性があります。
○睡眠の質:不眠症や睡眠時無呼吸症候群など、睡眠の質が低いと、食いしばりが起こりやすくなります。
○噛み合わせの異常:歯の噛み合わせが悪いと、歯に負担がかかり、食いしばりが起こりやすくなります。
○顎関節症:顎関節症は、食いしばりの原因となるだけでなく、食いしばりが悪化させることもあります。
○精神的な状態:緊張や不安、怒りなどの感情が強いと、食いしばりを誘発する可能性があります。
○集中している時:集中している時、特に何かに夢中になっている時などに、無意識に歯を食いしばってしまうことがあります。
東洋医学の考え
東洋医学では、食いしばりは「気」の巡りが滞ったり、「肝」の働きが亢進したりすることが原因の一つと考えられています。
◯気の巡りの滞り:ストレスや疲労などによって、体の気が滞ると、筋肉が緊張し、食いしばりが起こりやすくなります。
○肝の働き亢進:肝は、怒りやイライラといった感情を司る臓器とされています。肝の働きが亢進すると、筋肉が緊張し、食いしばりが起こりやすくなります。
食いしばりと鍼灸
効果
○筋肉の緊張緩: 鍼を刺すことで、緊張している筋肉を緩め、血行を促進します。
○気の巡りの改善:経絡を刺激することで、気の巡りを改善し、体のバランスを整えます。
○自律神経の調整:自律神経のバランスを整え、リラックス効果を高めます。
○痛みの緩和:頭痛や肩こりなどの痛みを緩和します。
経穴(ツボ)
頬車(きょうしゃ)
顎の筋肉の緊張をほぐし、食いしばりを緩和します。
下関(げかん)
顎関節の痛みを和らげ、口の開閉をスムーズにします。