鍼灸施術を受けられる方が良い方とは?
月経不順や不正出血にお困りの方で、特に原因となる病気がなく、ストレスや過労のせいと言われている方が鍼灸院には良く来られます。
西洋医学では手の打ちようがなく、病院で色々な治療を受けても結果が芳しくない、と言う方が最後の砦あるいは藁をもすがる思いで来られるケースが多いです。
そしてそのような方は鍼灸と相性が良い事が多く、変化が見られやすいです。
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ではどのような方が鍼灸施術を受けられるのが良いのでしょうか?
まずはその前に月経不順や不正出血の原因が何であるか?を病院で確かめる必要があります。
と言うのも感染症や腫瘍、子宮内膜症や子宮筋腫によって起こっている事があるからです。
このような場合はもちろん病院での治療が優先ですし必須となります。
極端な話、ガンによる出血などは鍼灸では改善出来ません。
ですのでまずは原因疾患があるか無いかを病院で検査する必要があるのです。
ただし原因疾患があっても病院での治療と並行して鍼灸を受ける事で治るまでは行かなくても症状が緩和したりコントロールできる事はよくありますし、そのような条件で通院されている方もいらっしゃいます。
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さて、原因となる疾患が無い場合、あるいは原因不明である場合はどうでしょうか?
結論から言うと鍼灸施術を受けられる価値があると思います。
と言うのも病院で原因が分からない場合や見つからない場合、自律神経による体の調整機能がうまく行ってない場合が多いからです。
自律神経には内臓の働きを調整したり、ホルモン分泌を調整したり様々な機能を調整しています。
もちろん子宮や卵巣の機能、女性ホルモン分泌などの調整にも関わっています。
自律神経の乱れと言うのは数値や画像に出てこない事が多く、そうなると月経不順や不正出血の原因が西洋医学的には分からない、とされてしまいます。
そして原因が分からないのでとりあえずストレスを溜めないように、規則正しい生活をするように、と言われることも多いです。
鍼灸施術を受けると自律神経が調整されます。
ですのでこのように自律神経の乱れが関わっている月経不順、不正出血の方は、鍼灸施術が合う可能性が高いです。
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どのような施術を行うか?
では実際にどのような鍼灸施術が行われるでしょうか?
実は鍼灸と言うのは本当に数多くのやり方や流派があります。
そのため鍼灸師によって使う道具(鍼の種類やもぐさ)も違えば、使うツボも異なります。
ですが方法は違えど狙いは似ていると感じます。
その狙いとは自律神経を整える事になります。
鍼灸は自律神経を整える作用があるため、基本的にはどのような方法でも自律神経は整ってきます。
そして大事なのは月経不順や不正出血に対して特別な施術を行うと言うより、鍼灸で自律神経を整えた結果、卵巣や子宮の機能、ホルモン分泌機能などが調整され、月経不順や不正出血の症状が緩和してくる、と言う事です。
ですので余程乱暴な施術でない限り、変化が起きてくるはずです。
そして最近では筋膜あるいは張力と言う概念も出てきています。
実は子宮も卵巣も血管も筋膜で覆われており、この筋膜が緊張するとこれらの臓器の働きが低下する事がわかっています。
そして体に鍼をすると筋膜を介して体の張力が変化します。
そうすると子宮や卵巣や血管を覆っている筋膜も適正な張力となり、内臓本来の働きが戻ってきます。
その結果月経不順や不正出血が緩和してくるのです。
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症例
40代女性
もともと10年以上前から不正出血があり、薬でコントロールしていたが、最近その効果も落ちてきていて、服薬していても不正出血が数週間続いていて困っている
病院でも原因が分からない。ストレスのせいと言われたがどうしようも無いため当院へ来院。
体をチェックしていくと下腹部を中心に腹部の緊張が随所に見られる。
施術方針としてはこれらの緊張を取り、腹部内臓(子宮や卵巣)周囲の筋膜の張力を適正化する事を目指しました。
整動鍼®️の施術を用いて、緊張部位に対応した前腕や下腿のツボへ鍼をし10分ほど置いておいた。
すると明らかに腹部の緊張が軽減したため施術終了。
2回施術した時点で完全に出血が止まったとの事。
その後もコンスタントにメンテナンスしていて、不正出血も見られない
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執筆者
三茶はりきゅう院 院長
山﨑 智史(やまざき さとし)
保有資格
理学療法士・鍼灸マッサージ師
主な講習会参加歴
・MTPトリガーポイント鍼治療 初級中級コース修了
・筋膜マニピュレーション国際コース 全コース修了(延300時間以上)
・整動協会 基礎編 応用編修了
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