【逆流性食道炎の特殊な鍼灸施術】

一般的な逆流性食道炎の治療

逆流性食道炎とは、何らかの要因によって食道と胃の間にある食道の筋肉（食道括約筋）の締まりが悪くなり、胃酸を含めた胃内容物が逆流してしまう状態です。

胃酸などの食道へ逆流によって食道に炎症が起こるため、胸やけやみぞおち辺りの痛み、酸っぱい物が込み上げてくる、などの症状が出て来ます。

その他、長く続く咳（呼吸器や心臓に問題が無いにも関わらず）、のどの違和感などが出てくる事もあります。

逆流性食道炎になりやすい人の特徴として
・食べすぎ
・早食い
・食べてすぐ寝る
・炭酸飲料、アルコール、脂っこいものの摂りすぎ
・肥満、喫煙

などが挙げられています。

病院での治療としては第一に薬物療法であり、メインは胃酸を抑える薬になります。

ただこれはあくまでも胃酸を抑える事で逆流しても食道が炎症を起こさないようにする処置です。
本来胃酸は食べ物の消毒や消化に必要なものですから、長期服用で弊害も出て来ます。

例えば鉄分は胃酸がないと吸収が阻害されてしまうので鉄分不足になります。
貧血はもちろん、様々な代謝に必要な鉄分が不足するとうつやパニック症状、だるさなども出てくる可能性があります。

またカルシウムの吸収も阻害されるため、骨粗鬆症のリスクも出て来ます。

このようなリスクがあるため胃酸抑制の薬の長期服用は避けたいところです。

そのため病院では当然生活指導も入ります。

・食べ過ぎ、早食いを避ける
・炭酸飲料、アルコール、脂っこい物、喫煙を避ける
・食後2〜3時間は横にならない
・体重を落とす
・お腹を締め過ぎない

などが生活改善として挙げられます。

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別視点からの逆流性食道炎

服薬や生活習慣の改善によって逆流性食道炎の症状が緩和していきます。
しかしもちろんこれだけでは良くならない方もあります。

それに生活習慣の改善と口で言うのは簡単ですが、実際にやるとなるととても大変ですし、日常の制限が多いと楽しみも減っていくものです。

そもそも服薬を含めたこれらの改善策は、なぜ下部食道括約筋が機能しないのか、と言う点に充分に対応出来ていません。

逆に言えばそこに適切なアプローチが出来れば、他の制限なく症状が緩和できると言う事になります。

とは言え食道は体の内部にあるため、直接はアプローチできません。

ではどうすれば良いのでしょうか？

下部食道括約筋はその名の通り「筋肉」です。

筋肉と言うのは筋膜と言う膜で覆われていて、筋膜の張力（引っ張り合う力）によって筋肉の機能は調整されています。

下部食道括約筋はその他の内臓にある筋膜と連結していて、張力を介して内臓同士の連携を取っています。

さらには内臓の筋膜は体表面のいわゆる筋肉とも連結しています（実際に解剖して構造的にも機能的にも確かめられています）。

下部食道括約筋の機能がうまく行かないのは筋肉にかかる張力のアンバランスによって起こります。

単純に言うと食道括約筋に対して食道の周囲へ引っ張る張力がかかると、括約筋が引っ張られて締まりづらくなってしまいます。

ですのでこの食道括約筋に対する張力を調整する事が、逆流性食道炎の改善に必要な事となります。

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