バセドウ病とは
バセドウ病は、甲状腺ホルモンが過剰に分泌される病気です。甲状腺ホルモンは、体の代謝を調節する重要な役割を担っています。バセドウ病になると、新陳代謝が活発になり、様々な症状が現れます。
原因
バセドウ病は、自己免疫疾患のひとつです。
自己免疫疾患とは、体の免疫システムが本来攻撃すべきではない自分の体の組織を攻撃してしまう病気です。バセドウ病の場合、免疫システムが甲状腺を攻撃し、甲状腺ホルモンが過剰に分泌されるようになります。
発症リスク
バセドウ病の発症リスクは、以下の要因によって高まると考えられています。
◯遺伝的要因
◯ストレス
◯喫煙
◯感染症
◯出産
症状
バセドウ病は、甲状腺ホルモンが過剰に分泌される病気です。甲状腺ホルモンは、体の代謝を調節する重要な役割を担っています。バセドウ病になると、新陳代謝が活発になり、様々な症状が現れます。
代表的な症状
◯動悸
◯息切れ
◯頻脈
◯体重減少
◯手指の震え
◯眼球突出
◯発汗
◯暑がり
◯疲れやすさ
◯イライラ
◯不眠
眼球突出はなぜ起こる?
バセドウ病になると、免疫システムが甲状腺を攻撃し、甲状腺ホルモンが過剰に分泌されます。この過剰なホルモンは、眼窩内の筋肉と脂肪組織の炎症を引き起こし、眼球が前に押し出されます。
バセドウ病と自律神経
バセドウ病と自律神経は密接な関係があります。
自律神経とは
自律神経とは、自分の意志とは関係なく、体の働きを自動的に調節する神経系です。自律神経は、交感神経と副交感神経の2つから成り立っています。
◯交感神経:体を活動モードに切り替える神経
◯副交感神経:体を休息モードに切り替える神経
バセドウ病と交感神経
バセドウ病になると、甲状腺ホルモンの過剰分泌によって交感神経が常に興奮状態になります。交感神経は、心拍数や呼吸数を増加させ、体温を上げ、血糖値を上げるなど、身体を活動モードに備える役割を担っています。
バセドウ病の代表的な症状である動悸、息切れ、頻脈、体重減少、手指の震え、発汗、暑がり、疲れやすさ、イライラ、不眠などは、交感神経の興奮によって引き起こされます。
バセドウ病と副交感神経
副交感神経は、心拍数や呼吸数を減少させ、体温を下げ、消化を促進するなど、身体を休息モードに備える役割を担っています。バセドウ病では、交感神経が常に興奮状態にあるため、副交感神経の働きが抑制されます。
副交感神経の働きが抑制されると、自律神経失調症の症状が現れることがあります。自律神経失調症の症状としては、頭痛、めまい、肩こり、腰痛、胃腸障害、睡眠障害などがあります。
バセドウ病の治療によって甲状腺ホルモンの分泌量が正常化すれば、交感神経の興奮状態も改善され、自律神経のバランスも整ってきます。
バセドウ病に対する鍼灸施術
バセドウ病に対する鍼灸施術は、まだ十分な科学的根拠はありません。しかし、いくつかの研究では、鍼灸がバセドウ病の症状を改善する可能性を示唆する結果が出ています。
バセドウ病に対する鍼灸施術の効果
◯甲状腺ホルモンの分泌量を抑制する
◯自律神経のバランスを整える
◯血行を促進する
◯目の周りの筋肉の緊張をほぐす
◯炎症を抑える
バセドウ病に対する鍼灸施術の注意点
◯効果は個人差が大きい
◯医療機関で行う治療と併用するのが効果的
◯継続して治療を受ける必要がある