嗅覚障害とは
嗅覚障害とは、においを感じる能力の喪失または低下です。嗅覚障害は、鼻の閉塞、鼻腔の炎症、嗅神経の損傷など、さまざまな要因によって引き起こされる可能性があります。嗅覚障害は、原因によって一時的なものもあれば、永続的なものもあります。
嗅覚障害の種類
嗅覚障害は、症状によって以下のように分類されます。
嗅覚脱失:においを感じられない状態
嗅覚減退:においが弱く感じる状態
嗅覚異臭症:すべてのにおいが同じように感じる状態
嗅覚過敏症:特定のにおいに敏感になる状態
原因
鼻の閉塞
風邪やインフルエンザ、アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎、鼻中隔彎曲症、鼻茸などの鼻の病気によって鼻腔が塞がると、におい分子が嗅細胞に届かなくなり、嗅覚障害が発生します。
鼻腔の炎症
鼻炎、副鼻腔炎、鼻ポリープなどの鼻腔の炎症によって、嗅細胞や嗅神経が損傷されると、嗅覚障害が発生します。
嗅神経の損傷
頭部外傷、脳腫瘍、脳卒中、アルツハイマー病、パーキンソン病などの病気によって嗅神経が損傷されると、嗅覚障害が発生します。
薬物
抗生物質、抗がん剤、抗うつ薬などの薬の副作用によって、嗅覚障害が発生することがあります。
その他
加齢、喫煙、化学物質へのばく露、先天性異常などの要因によっても、嗅覚障害が発生することがあります。
嗅覚障害に対する鍼灸施術
近年、嗅覚障害に対する鍼灸治療の効果が注目されています。鍼灸治療は、ツボを刺激することで、血行を促進し、神経機能を活性化させると考えられています。
嗅覚障害に対する鍼灸治療の研究
いくつかの研究によると、鍼灸治療は嗅覚障害の改善に効果がある可能性があります。
2018年の研究では、嗅覚障害患者40人を対象に、鍼灸治療と偽治療を比較したところ、鍼灸治療を受けた患者の方が嗅覚機能の改善が大きかったことが示されました。
2020年の研究では、嗅覚障害患者20人を対象に、鍼灸治療と薬物療法を比較したところ、両方の治療法で嗅覚機能の改善が見られましたが、鍼灸治療の方が効果が大きかったことが示されました。
これらの研究は、まだ小規模な研究であり、さらなる研究が必要です。しかし、鍼灸治療は嗅覚障害の改善に有効な治療法の一つとして期待されています。
嗅覚障害に効果的なツボ
嗅覚障害に効果的なツボ
嗅覚障害に効果的なツボはいくつかありますが、代表的なものは以下の通りです。
◯攢竹(さんちく):目頭と鼻筋の延長線上
◯魚腰(ぎょよう):目尻の下
◯合谷(ごうこく):親指と人差し指の付け根
◯風池(ふうち):首の後ろ
◯百会(ひゃくえ):頭頂部
これらのツボは、嗅覚に関与する神経や血行を刺激する効果があります。