逆子とは
逆子とは、医学用語で「骨盤位」と呼ばれ、胎児の頭が子宮口側に向いていない状態を指します。妊娠28週以降、胎児が骨盤に固定される時期になっても頭が下に向いていない場合は、逆子と診断されます。
発生率
逆子の発生率は約3~5%です。妊娠初期は胎児が自由に動いているため、逆子の割合は高くなりますが、妊娠が進むにつれて自然に頭位になることが多いです。
逆子に対する鍼灸施術
逆子に対する鍼灸治療は、主に以下の2つの方法で行われます。
至陰(しいん)への灸治療
足の第5趾の爪甲根部外縁にあるツボに、艾(もぐさ)を乗せてお灸をする方法です。
至陰は、子宮の血流を改善し、胎動を活発にする効果があるとされています。
三陰交(さんいんこう)への鍼治療
内くるぶしの上3寸にあるツボに、鍼を刺す方法。
三陰交は、子宮の緊張を緩め、骨盤の血流を改善する効果があるとされています。
鍼灸施術の時期
逆子に対する鍼灸治療は、妊娠28週頃から開始するのが理想です。妊娠32週以降になると、胎児が大きくなり、頭位変換が難しくなるためです。
鍼灸施術の頻度
逆子に対する鍼灸治療は、週に1~2回の頻度で行います。1回の治療時間は、1時間程度です。
逆子に対する鍼灸施術の安全性
逆子に対する鍼灸治療は、一般的に安全な治療法と言われています。しかし、どのような治療法にもリスクは伴います。
逆子に対する鍼灸治療の安全性に関する研究では、以下の結果が報告されています。
◯重篤な副作用は報告されていない
◯軽度な副作用としては、局所の痛み、出血、腫れなどがある
◯これらの副作用は、通常数日で自然に治癒する
逆子に対する鍼灸施術を受ける際の注意点
逆子に対する鍼灸治療を受ける際には、以下の点に注意することで、リスクを軽減することができます。
◯必ず、逆子治療の経験がある鍼灸師に治療を受ける
◯治療中に痛みや違和感を感じたら、すぐに鍼灸師に伝える
◯治療後は、安静にして体を冷やさない
以下のような方は、逆子に対する鍼灸治療を受ける前に、医師に相談する必要があります。
◯高血圧
◯糖尿病
◯心臓病
◯出血傾向
◯皮膚疾患
逆子に対する鍼灸治療は、安全で有効な治療法ですが、リスクがないわけではありません。治療を受ける前に、医師や鍼灸師に相談し、リスクとメリットを理解した上で判断することが大切です。