顔面神経麻痺とは
顔面神経麻痺とは、顔面の表情筋を動かす顔面神経がなんらかの原因で障害されることによって、表情を作ることが突然できなくなる病気です。
顔面神経とは
顔面神経は、脳の側頭骨から出ている12番目の脳神経で、顔の表情筋、耳の中の筋肉、味覚、涙の分泌などを支配しています。顔面神経麻痺になると、これらの機能が障害されます。
症状
顔面神経麻痺の症状は、顔の片側の表情筋が動かなくなることです。
具体的には、
◯額に皺を寄せられない
◯目を閉じられない
◯口角が上がりにくい
◯口から水が漏れる
◯味覚が低下する
◯涙が減少する
などの症状がみられます。
原因
顔面神経麻痺の原因は、大きく分けて3つあります。
◯特発性顔面神経麻痺(ベル麻痺)
最も多くみられる原因で、原因は不明です。単純ヘルペスウイルスや水痘・帯状疱疹ウイルスなどの感染が関与しているのではないかと考えられています。
◯外傷性顔面神経麻痺
顔面への外傷(交通事故やスポーツ中の事故など)によって顔面神経が損傷されることで発症します。
◯腫瘍性顔面神経麻痺
顔面神経に腫瘍(良性腫瘍や悪性腫瘍)ができて、神経を圧迫したり、破壊したりすることで発症します。
顔面神経麻痺と鍼灸
研究
顔面神経麻痺の鍼灸の効果については、まだ十分に研究が進んでいませんが、いくつかの研究で、鍼灸が顔面神経麻痺の症状の改善や回復に効果があることが示されています。
ある研究では、特発性顔面神経麻痺の患者を鍼灸治療群と対照群に分け、10日間週に3回、鍼灸治療を行った結果、鍼灸治療群では対照群に比べて麻痺の程度が改善し、表情筋の運動が回復するまでの時間が短縮されたことが示されました。
また、別の研究では、外傷性顔面神経麻痺の患者を、鍼灸治療群と対照群に分け、12週間週に2回、鍼灸治療を行った結果、鍼灸治療群では対照群に比べて麻痺の程度が改善し、表情筋の運動が回復するまでの可能性が高まったことが示されました。
これらの研究結果から、鍼灸は顔面神経麻痺の症状の改善や回復に効果がある可能性が示唆されています。ただし、鍼灸はあくまでも対症療法であり、根本的な治療にはなりません。そのため、顔面神経麻痺の原因となっている病気がある場合は、適切な治療を受けることが大切です。
効果
具体的には、鍼灸治療によって、以下のような効果が期待できます。
◯顔面神経の炎症やむくみを改善し、麻痺の症状を緩和する
◯顔面神経の修復を促進し、回復を早める
◯表情筋の運動を改善し、顔の表情を整える
鍼灸治療を受ける際は、症状や体質に合わせて治療を受けることが大切です。
顔面神経麻痺の症例①
30代男性
突然、耳の後ろに違和感があり、その翌日に麻痺になった。水を飲もうとすると口からこぼれるなどの症状が出始め、発症から4日目に来院。
症状としては唇が上がらず偏る、目が閉じづらい、涙が出る、額にしわがよらない、耳のつまりがあった。
当院の治療
違和感が出る前に仕事が忙しさやストレス、風邪を引いていたなど免疫力が下がっているため、自律神経を整えて回復力を上げる施術をした。
また首や肩が硬く、顔の筋肉や皮膚も硬くなっていたため、筋肉の緊張緩和と血行を良くする施術も併せて行なった。
治療経過
1回目 来院時より顔のこわばりが減った。
2回目 完全ではないが額のシワが寄るようになり、口から水がこぼれなくなった。
3回目 前回より額のシワがさらに寄るようになり、鼻の横にシワがよらなくなった。
4回目 病院でベル麻痺が完治していると伝えられた。顔の違和感は無くなった。