後鼻漏とは？

後鼻漏（Postnasal Drip）は、鼻から喉に流れる粘液や分泌物が過度に生じるか、正常な排出メカニズムが破綻することによって、喉に余分な分泌物がたまる症状を指します。

症状

後鼻漏の症状は以下のようなものがあります。


喉の違和感: 喉に粘液感や異物感がある感じがすることがあります。これは、鼻の分泌物が喉に流れることによって引き起こされます。

咳: 喉の刺激や刺激によって咳が引き起こされることがあります。特に夜間や寝ている間に咳が酷くなることがあります。咳は喉の分泌物を取り除こうとする反応です。

のどの痛み: 過剰な粘液が喉にたまることで、喉が痛むことがあります。この痛みは咳によっても引き起こされることがあります。

口臭: 後鼻漏のたまった分泌物が口に戻ることで、口臭が発生することがあります。

喉の痰: 喉に粘液や痰がたまり、喉のクリアリングを試みる感じが生じます。喉からの痰が咳やのどの掻痒感を引き起こすことがあります。

喉の痛みや不快感: 過度の分泌物が喉にたまると、喉の不快感や痛みが生じることがあります。

原因

後鼻漏（Postnasal Drip）の原因はさまざまで、通常は鼻や副鼻腔、のどの問題に関連しています。以下に、後鼻漏の主な原因をいくつか示します。


鼻および副鼻腔の炎症: アレルギー、感染症、慢性鼻炎、副鼻腔炎など、鼻および副鼻腔の炎症は後鼻漏の主要な原因の一つです。これらの状態によって、鼻腔から過剰な粘液や分泌物が生じ、喉に流れ込みます。

アレルギー: 花粉症やハウスダストアレルギーなどのアレルギー疾患は、鼻や副鼻腔の粘膜を刺激し、粘液の過剰な産生を引き起こすことがあります。これが後鼻漏を誘発することがあります。

感染症: 上気道感染症（風邪やインフルエンザなど）や副鼻腔感染症は、鼻腔や喉に炎症を引き起こし、粘液の産生を増加させることがあります。

鼻のポリープ: 鼻のポリープは、鼻腔や副鼻腔に腫瘍様の膨らみを形成することがあり、これが後鼻漏を引き起こす原因となります。

気管支炎: 気管支炎や気管支拡張症などの下部呼吸器の問題は、後鼻漏を引き起こすことがあります。これは気道からの粘液の移動が異常であるためです。

食品アレルギー: 特定の食品に対するアレルギー反応が喉や口の周りの粘膜に炎症を引き起こし、後鼻漏を誘発することがあります。

後鼻漏に鍼灸は効果的なのか？

後鼻漏に対する鍼灸療法の効果は限定的であり、その効果は個人差があることが報告されています。
以下は、鍼灸が後鼻漏に対してどのように効果的であるかに関する情報です。

症状の軽減

鍼灸療法は一部の患者に対して後鼻漏の症状を軽減させるのに役立つことがあります。鍼灸は体内のエネルギーバランスを調整し、炎症を和らげ、免疫系をサポートするとされています。これが一部の患者にとって症状の改善に寄与する可能性があります。

アレルギー関連の後鼻漏

鼻や副鼻腔のアレルギー反応によって後鼻漏が引き起こされる場合、鍼灸はアレルギー症状を軽減するために使用されることがあります。鍼灸によって免疫系が調整され、アレルギー反応が緩和される可能性があります。

個別の症状に合わせた施術

鍼灸は患者に合わせた個別の治療プランを提供できるため、特定の後鼻漏の症状に焦点を当てて治療することができます。鍼灸師は患者の症状と状態に基づいて適切な鍼灸ポイントを選択し、治療を調整します。

ただし、鍼灸療法の効果は個人によって異なり、確実な治療法ではないことを理解する必要があります。

当院の後鼻漏に対する鍼灸施術

後鼻漏の治療において、鍼灸療法は一部の患者にとって効果的である場合があります。鍼灸師は患者の症状と状態に応じて特定のツボを選択し、治療を行います。以下は、後鼻漏の症状に対して一般的に用いられるツボのいくつかですが、個別の症状や患者の状態に応じて選択されるツボが異なります。

合谷（ごうこく）

手の親指と人差し指の間にあるツボです。
免疫系を強化し、アレルギー症状を軽減するのに役立つと考えられています。

迎香（げいこう）

鼻翼の両側に位置し、鼻や副鼻腔の問題に対処するのに使われます。これは鍼灸によって鼻の通りを改善し、後鼻漏の症状を軽減するのに役立つと考えられています。