頭痛
頭痛にはいくつかの種類があります。 種類によって原因が異なるため、対処法も異なってきます。
緊張型頭痛
頭全体が締めつけられるような痛みで、最も多いとされています。
また、鍼灸で筋肉を緩めることで解消することができ、最も受けた方々の反応が良いのがこのタイプの頭痛です。
原因
生活習慣による原因で首や頭の筋肉が緊張し、血流が悪くなることで起こると考えられます。
以下の事で筋肉のコリを引き起こし、頭痛を誘発することがあります。
・精神的なストレス
・長時間同じ姿勢が続くなどの身体的ストレス
・目の使い過ぎによる疲労
原因筋
・側頭筋
・後頚筋群
・僧帽筋 など
頭から首、背中にかけての筋肉のコリや張りが原因となる。
対処法
頭痛が起きないようにするには、筋肉の緊張を緩めてあげることが大切です!
そのためにも生活習慣の見直しが基本です。
長時間の同一姿勢、悪い姿勢、不適切な枕、運動不足などの生活習慣を見直して、頭から首、背中にかけての筋肉に負担をかけないようにしましょう。
生活習慣を改めても頭痛が軽減しない時は、精神的ストレスが関係している可能性もあります。
精神的ストレスが加わると、脳など中枢神経の痛みの感じ方が過敏になることで長引くとも考えられています。
片頭痛
女性に多く見られる頭痛で、脳に血液を送る血管が拡張すると頭痛が起きやすくなります。
片頭痛も鍼灸院で多くみられる症状です。
鍼灸を行う事で痛みが減る・頻度が下がる・出なくなったという反応が多いです。
また閃輝暗点などの予兆が出ても、その後頭痛が出ないなどの反応もあります。
緊張型頭痛に比べて即効性は低いですが、安定的に下がっていくことが考えられます。
原因
脳への血管拡張による視床下部が関係していると考えられています。
視床下部は、ホルモンや体温調整、心臓の機能維持など。
重要な働きをしているので、生理周期や排卵期、出産、更年期などにも関連して起こり易いです。
その他ストレスや疲労のほか、寝すぎ・寝不足といった不規則な睡眠、梅雨や台風時期の低気圧といった天候の変化などがきっかけでも頭痛が起こります。
症状
吐き気が強く、光や音に過敏になることが多いです。
群発性頭痛
目がえぐられるような激しい痛みで、頭の片側に起こります。
原因
体内時計が関係しているのではないかともいわれています。
症状
一度症状が出ると、1-2カ月間、ほぼ毎日、同じ時間帯に頭痛が起きるようになり、痛みは15~180分程度続きます。
対処法
・痛む部位を冷たいタオルなどで冷やす。
・静かな暗い場所で安静に。
・少しでも睡眠をとる。
二次性頭痛
何らかの病気が原因で起きる頭痛のことをいいます。
原因
心身症などからくる精神疾患による頭痛や、高血圧を原因としたホメオスターシス障害による頭痛など。二日酔いなどアルコールが原因で起こる場合もありますが。
☆くも膜下出血や脳腫瘍のような命の危険につながるものもあります。
これまで経験したことのないような強い頭痛が突然現れたり、手足の麻痺やしびれ・痙攣、激しい嘔吐、高熱などを伴う場合などは、すぐに病院を受診しましょう!!
東洋医学的考え方
東洋医学では、痛みは「不通即痛」あるいは「不栄即痛」によって起こると考えられています。
これは、痛みは「気(パワー)や血液、水分が何らかの影響で滞ると痛みが生じると考えられ、さらに進行すると栄養不足となり痛みが加速する」という事を意味します。
頭痛もこの考え方が当てはまり、頭部を通る経絡の不通と頭部への栄養不足が原因と考えられます。
気血水を滞らせてしまう原因とは…
気温・天候や飲食物などの体外環境によるものです。気温が低い・湿度が高い・冷たい飲食物の過多摂取による頭痛があります。
他に、東洋医学でいう「肝」「腎」「脾」の病変により気血水が体にうまく回らず、頭部の経絡の流れが障害されて起こる頭痛があります。この3つの臓器は、気血水を循環させるのにとても重要な役割があり、緊張性頭痛の場合は「肝」が大きく影響します。
なかでも、ストレスは特に「肝」に悪影響を及ぼします。
「肝」の疏泄を主るという機能が低下すると体全体の気血水の流れが悪くなり、肩や頸部周囲の気血水の流れも悪くります。
そうすると、筋肉への血行が悪化し、筋肉が十分に栄養されません。そのため頸肩部の筋肉ssにこりや痛みが生じて、脳への血流が低下します。脳へ行く血管は必ず頸肩部を通過するため、頸肩部のこりや痛みによる血管収縮は、頭部への気血水の滞りや栄養不足に繋がり、緊張性頭痛を引き起こします。
当院での頭痛の鍼灸治療
頭痛の種類によって原因が異なりますので、それぞれの原因に合わせたアプローチが重要となってきます。
その為には、症状の出方や質、出現頻度など、しっかりと問診をさせていただきます。
その上で、筋緊張の緩和や、自律神経の調節に対する鍼治療。
また、方法としては原因などに合わせて鍼通電療法も効果的な場合もあります。