PMSとは
PMSは、Premenstrual Syndromeの略で、日本語で「月経前症候群」と呼ばれます。
月経が始まる3日から10日前に現れる、精神的、身体的な不調です。月経開始とともに症状が軽減されたり、消失します。年齢とともに症状が重くなっていく傾向があり、症状が3ヶ月以上続く場合はPMSの可能性が非常に高くなります。日常生活に支障をきたすほどの重い症状にお悩みの方は、産婦人科への受診をおすすめします。病院での治療で効果が現れなかった方、薬に頼りたくない方、受診する程でもない初期症状が現れている方などはぜひ鍼灸をお試しください。
鍼灸には副作用がなく、安全性がとても高いことが特徴です。鍼=痛いという認識をお持ちの方も多くいらっしゃいます。しかし、使用する鍼は髪の毛ほどの細さのもので、ほとんど痛みを感じません。
また、お灸につきましても当院では火傷の危険が一切ないお灸を使用していますので安心して施術を行うことができます。痛みに弱い方、鍼灸に抵抗がある方へ配慮した施術を心がけておりますので、気になることや不安、質問は何なりとご相談ください。経験豊富な鍼灸師がお一人お一人にあった施術をご提案させて頂きます。
PMSの症状
PMSの代表的な症状には「身体的な症状」と「精神的な症状」があります。
身体的な症状
倦怠感、肌荒れ、頭痛、むくみ、過食、食欲不振、めまい、腹痛、お腹の張り、便秘や下痢、下腹部痛、乳房の張り、睡眠障害、動悸
精神的な症状
情緒不安定、イライラ、抑うつ、不安感、緊張感、無気力、集中力や判断力の低下
PMSの症状の重症化、特に精神的な症状が際立って現れる状態は「月経前不快気分障害(PMDD)」と診断されます。
PMSの原因となりやすい人
PMSの原因は明確には分かっていませんが、女性ホルモンの変動が大きく関わっていると考えられています。女性は月経が開始から終了、そして次の月経が始まるまを一つの周期としてサイクル化されています。黄体期と呼ばれる、排卵が終わって次の月経が始まるまでの期間に多く分泌される「エストロゲン(卵胞ホルモン)」と「プロゲステロン(黄体ホルモン)」が月経が始まる前には急激に減少します。この変動が、自律神経のバランスの乱れや、気持ちを安定させる神経伝達物質の働きの低下に影響し、PMSの原因になりやすくなります。
PMSになりやすい人の特徴は以下になります。
⚫︎性格的な要因
・真面目
・几帳面
・こだわりが強い
・負けず嫌い
・完璧主義
⚫︎環境的な要因
・不規則な生活習慣
・不規則な食生活
・アルコールの摂取
・喫煙
・ストレス過多
PMSの検査法と治療法
検査方法
問診
問診では自覚症状の有無や月経周期に乱れはないかを確認します。
血液検査や尿検査
血液検査や尿検査ではホルモンの状態、肝機能の状態、排卵の有無、貧血はないかを調べることができます。
内診や超音波検査
内診や超音波検査では子宮や卵巣の状態を確認することができます。
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上記の検査をすることで、その他様々な婦人科系の病気と区別することができます。また、カウンセリングを行うことによって、PMSと関連の深い精神疾患の程度を知ることができます。
治療法
薬物治療(対処療法)
痛みには「鎮痛剤」、お腹の不調には「整腸剤」や「下痢止め」、寝つきが悪い方には「睡眠導入剤」、吐き気を催す方には「吐き気止め」が処方されます。
薬物治療(継続療法)
低用量ピルを用いた「ホルモン療法」を行います。女性ホルモンを補うことで症状を和らげることができます。また、精神的にな症状には「抗不安薬」「抑うつ薬」が処方されます。
漢方薬
漢方薬は天然の生薬が2種類以上調合されたものです。副作用も少なく、長期的に安全に服用することができます。PMSの症状改善に処方される、代表的な漢方薬は以下のものになります。
⚫︎当帰芍薬散料(とうきしゃくやくさんりょう)
⚫︎桃核承気湯(とうかくじょうきとう)
⚫︎温経湯(うんけいとう)
⚫︎加味逍遙散料(かみしょうようさんりょう)
⚫︎桂枝茯苓丸料(けいしぶくりょうがんりょう)
この他にも数多くの漢方薬が存在します。自分の体質に合ったものを見つけることが大切です。
PMSと東洋医学
人の身体は「気(活動のエネルギー源)」「血(全身に栄養を送る血液)」「水(血液以外の体液)」から成り立っています。この3つのバランスが崩れたり、子宮や卵巣に関係する「腎」や自律神経に関係する「肝」の機能が低下することで、PMSが引き起こされると考えられています。
そのため、当院の鍼灸では「気、血、水」がバランスよく循環するよう、全身を整えます。また、自律神経の乱れを整えることで「肝」の機能がうまく働き、自分自身が持っている自然治癒力を高めることができます。
当院では「自律神経測定器」を用いて、交感神経と副交感神経のバランスや、自分がどのくらいのストレスを溜めているかを確認します。施術前後で、わかりやすく可視化することができるため、より早い回復が見込めます。
さらに、子宮周りのツボを鍼で刺激することにより、子宮や卵巣内の血流が促進され、不調の改善が見込めます。
辛いPMSの症状でお悩みの方は、ぜひ当院の鍼灸をお試しください。症状の早期回復のお手伝いをさせて頂きます。