聴覚過敏とは
聴覚過敏とは感覚過敏のひとつで、普段の何気ない音が、大きく響いて聞こえたり、人によっては痛みも感じることがあり、常に不安を感じてしまう症状です。
生活する上で身の回りの音に過敏に反応してしまうため、精神的なストレスをかかえ、学校、職場などの社会生活が困難になることが多いです。子供や女性の高い声、ゲームセンターや人混みなどの騒がしい場所、掃除機やドライヤーなどの大きな音、何かがぶつかる音、寝る時の時計の針の音などの静かな時に聞こえる音などに過敏に反応すること多いです。
音が大きく聞こえる症状のほかに、頭痛やめまい、吐き気など症状が伴うこともあります。聞こえ方に異変を感じたら、専門医へ受診しましょう。
聴覚過敏の原因
聴覚過敏には主に3つの原因があります。
脳による原因
聴覚過敏は主に自閉症スペクトラム症(ASD)や注意欠陥、多動性障害(ADHD)と呼ばれる、発達障害があるとなりやすいと言われています。この詳しい原因は解明されていません。
てんかんや片頭痛なども、聴覚過敏を引き起こしやすい原因ととなります。脳の神経の興奮状態により、音を聞き分けることが難しくなります。適切な治療を受けることで改善が見込める為、早期の受診をお勧めいたします。
ストレスによる原因
精神的なストレスより、聴覚過敏を発症することがあります。精神的なストレスにより自律神経を乱れると音にたいて過敏に反応することがあります。知らず知らずのうちにうつ病になってしまっていることも多いため、心療内科や精神科などで、カウンセリングを受けることをおすすめします。
耳による原因
耳が原因の聴覚過敏は2種類あります。
1つ目が、メニエール病や突発性難聴などの内耳性の難聴により、聴覚過敏が引き起こされます。低下している聴力を補おうとする力により、音が過敏に大きく聞こえてしまいます。
2つ目は顔面神経麻痺による聴覚過敏です。顔面神経麻痺とは、顔の半分、あるいは一部分が動かなくなるという、顔面の筋肉に麻痺が起こる病気です。顔面神経麻痺によりあぶみ骨筋に麻痺が生じると、音が大きく響いてしまうのです。
聴覚過敏の病院での治療法
対処療法
聴覚過敏には主に対処療法が用いられます。大きな音がする場所を避けることはもちろんですが、耳栓やイヤーマフ、ノイズキャウンセリング機能のあるヘッドホンなどの音を防御するものや、都道府県が配布しているヘルプマークを身につけ、配慮や援助が必要なことを周囲の方へ知らせるなどといった方法があります。
音響療法
音響療法とは、耳に音の流れる装置をつけて、一日一定時間不快ではない音を聞き続けます。そうするとことにより、だんだんと嫌な音が気にならなくなり、音に慣れてきます。これは耳鳴りの治療にも用いられます。これは音量の認知機能の回復がきたいできます。
また、リラックス効果のあるピンクノイズなどの音響療法も行われる場合があります。
薬物療法
ストレスにより、うつの症状や不安障害強くでいる場合には向精神薬を服用し、症状を落ち着かせます。向精神薬には抗うつ薬や抗不安薬、睡眠導入剤があり、カウンセリングを通して、医師から処方されます。医師の指示、容量を守って正しく服用することが大切です。
また、ビタミンB6の不足を補うことによって、聴覚過敏が緩和されることがあります。ビタミンB6には脳の神経伝達物質を正常に機能させる働きがあるため、耳から入った音を正しく脳に伝えることが期待できます。
聴覚過敏と鍼灸
当院では、聴覚過敏の患者様への施術として
●自律神経の乱れを整える
●睡眠の質の向上
●耳周辺の筋緊張の緩和
を主な目的として行います。
自律神経が乱れると、日常生活のストレスが増え、不安感や緊張状態に陥ります。聴覚過敏とストレスは深い関係があるため、自律神経を整えることで、ストレスを軽減し、リラックスしやすい身体作りを目指します。
また、聴覚過敏の方は寝付きずらいことが多く、些細な物音でおきてしまい、深い睡眠が得られないことがあります。鍼やお灸により、全身の血流を促進させることで、身体の緊張状態を緩め、入眠やすく質の高い睡眠をとることができます。
聴覚過敏の方は耳周辺はもちろん、首や肩にかけての筋肉が凝り固まっています。凝りのトリガーポイントを見極め、鍼灸によりツボを刺激することに耳の中や脳の血流やリンパの詰まりが解消されます。それにより、耳や脳の機能の回復が期待できるのです。
聴覚過敏にお悩みの方は、医療機関への受診と並行して、鍼灸の施術を行うことによりより早い改善が見込めます。お一人お一人の症状にあった、施術をご提案させて頂きますので、ぜひご相談ください。