頭痛とは
頭痛とは頭の血管や神経(脳神経、上部頸髄神経など)、筋肉、頭皮なとが圧迫されたり、炎症が起きることことによって生じる痛みを総じて「頭痛」と言います。「頭痛もち」と言われる慢性的な頭痛にはいくつか種類があり、痛み方の違いや、治療法、原因がそれぞれ異なります。頭痛には生命に関わる病気が隠れていることがあるので、長引く痛みや、激しい痛みが伴う頭痛がある場合は、専門医への受診をおすすめします。
頭痛の種類
一次性頭痛
緊張性頭痛
緊張性頭痛とは頭の周囲や、首や肩の筋肉が緊張して起こる頭痛です。ほとんどの頭痛が緊張性頭痛であり、頭を締め付けられるような痛みが特徴です。女性の発症率が高い頭痛になります。原因は精神的なストレスが大きく、ストレスにより筋肉が緊張し、血流が悪くなり、老廃物(コリ)が停滞します。それにより痛みが発症します。その他には、目の視力や見え方などの眼科的障害や、歯の痛みなどが原因となる場合もあります。緊張性頭痛の治療法は、「鎮痛剤」や「抗炎症薬」が用いられます。予防薬として、「抗うつ薬」「抗不安薬」「筋弛緩剤」が用いられます。
片頭痛
片頭痛とは頭の片側がズキズキ脈を打つような拍動性の痛みや、吐き気も伴う頭痛です。稀に頭の両側が痛む方もいます。これは片頭痛発作とも呼ばれ、4時間〜数日間続きます。光や音に敏感になるという特徴があります。また、女性ホルモンと片頭痛は深い関係があるとされ、女性に多い頭痛です。
片頭痛の治療法は主に薬物療法が用いられ、軽度から中等度は「鎮痛剤」、それでも効かない場合はトリプタン系薬剤、さらにエルゴタミン製剤が処方されます。いずれも、血管を収縮に作用し、痛みを鎮める働きをします。
群発頭痛
群発頭痛とは頭の片側、目の奥がえぐられるような激痛が伴う頭痛です。目の充血や、鼻水、瞼の異変などの症状が前兆として起きたり、並行して発症すると言われています。1回15分から3時間の痛みが1日数回起こり、数週間から数ヶ月続きます。明確な理由は明らかになっていませんが、男性に多い頭痛となっています。
治療法は血管収縮に作用し、痛みを鎮静するトリプタン系製剤のピカ皮下注射や点鼻薬が用いられたり、安全性の高い純酸素吸入をして痛みをコントロールする方法があります。また効果の高い予防薬もいくつかあり、自分に合った治療薬を見つけることが重要です。
二次性頭痛
二次性頭痛には「くも膜下出血」「脳動脈解離」「脳腫瘍」「髄膜炎」「脳炎」などの外傷や感染症、腫瘍などが挙げられます。突然の頭の痛み、今までに感じたことのない痛み、手足の痺れ、意識障害、吐き気や嘔吐などを伴う頭痛の場合はすぐに専門医へ受診しましょう。生命にかかわる危険な病気の場合があります。
検査方法
頭痛で受診した際に行われる検査は、以下のものがあります。
問診
どのような痛み方か、いつから痛むのかなど症状の経過から頭痛の種類をおおまかに分類することができるため、問診は重要です。
血液検査
髄膜炎や脳炎が原因の頭痛は、血液検査にて感染症の有無を調べることができます。明確な感染症の診断はできないなめ、そのほかの検査と組み合わせて行われます。
髄液検査
血液検査と並行して行われることが多いのはこの髄液検査です。背骨の間に針を刺し、脳脊髄液を採取します。脳や脊髄の感染症や腫瘍、出血の有無が分かります。
CT検査
体の縦横の断面画像を撮影できます。腫瘍や出血の有無を見つけることができます。手軽な検査方法ですが、脳の状態を詳しく見ることが難しい場合があります。
MRI検査
脳の炎症や異常な血管を鮮明に撮影することができます。CT検査よりも頭痛の原因特定をしやすい検査になりますが、検査に時間ががかかること、金属が体内に入っている方は注意が必要です。
頭痛と鍼灸
当院では一次性頭痛に対する痛みに有効的な施術を行っております。頭部、頸部周りの筋肉の緊張を緩め、実際痛む部分(こめかみ、頭皮など)にピンポイントに鍼をすることによって、痛みを緩和させます。施術後には頭痛が軽くなっている方もいらっしゃいます。
頭痛の時に施術するツボは主に以下のものになります。
●「風池(ふうち)」
首の後ろの筋に指を置き、生え際まですりあげ、左右の外側のくぼんだところ。
●「天柱(てんちゅう)」
首の後ろの生え際付近。首の太い骨の外側のツボ。
●「肩井(けんせい)」
首の付け根と肩先を結んだ中央。全身の血行を促すツボ。冷え性の方には効果的。
一次性頭痛の原因は精神的なストレスが大きく影響します。ストレスを上手にコントロールし、自分に合った発散方法を身につけることで、頭痛が起こりにくい状況を作ることができます。当院ではストレス値を測る「自律神経測定器」を導入しております。一度ご自身の心身の状態を確認してみてはいかがでしょうか?