双極性障害とは
双極性障害とはハイテンションになり、気持ちが高ぶり活動的になる躁状態と、気持ちが落ち込み、憂鬱な状態になるうつ状態を繰り返す病気です。別名、躁うつ病とも言われます。
躁状態とは睡眠を全くとらなくても動き回ることができたり、ギャンブルや、高額な買い物、何時間も喋り続ける、怒りっぽい、アイディアが次々と浮かぶと行った症状が挙げられます。
うつ状態は不眠や過眠、何をしても楽しくない、疲れやすい、やる気が起きない、食欲がないなどの症状が主に現れます。
誰にでも気分の波はあります。しかし、いつもと違う行動や、行き過ぎた行動、おかしいなと思える行動で周りの人を困らせてしまう場合は、双極性障害かもしれません。
また多くの方が双極性障害をうつ病と勘違いしてしまいます。双極性障害とうつ病は全く異なる病気であり、治療法も異なります。専門の病院を受診し、的確な診断を受けましょう。
双極性障害の原因
双極性障害の明確な原因は分かっていませんが、発症には遺伝が関与しているとい考えられています。また、脳内の神経伝達物質であるノルアドレナリンや、セロトニンのバランスが崩れ、正常な働きをしていない可能性があります。
ストレスが発症のきっかけとなることがありますが、直接的な原因ではありません。親切で人付き合いがよい、活動的、熱中しやすい性格の方は双極性障害になりやすい体質と言われています。
また、厚生労働省によると、100人に1人の割合で発症し、男女の差はないことが分かっています。
西洋医学的診断法と治療法
まず医師による聞き取りが行われます。症状の状態、生活状況、家族の病気歴、自身の病気歴、服薬の有無などから診断します。場合によってはCT、MRIなどの画像から脳の病気の有無を調べます。血液検査や尿検査から他の病気の有無も検査します。
薬物療法
薬物療法では気分安定薬も抗精神病薬が用いられます。
気分安定薬は双極性障害の基本となる薬で、治療はもちろん予防薬としても使われます。
抗精神病薬とは神経伝達物質を抑制する作用があり、統合失調症などの治療にも用いられます。内服薬の他に持続性のある注射もあります。
長期的に服薬し、継続することが大切です。気分をコントロールすることで、症状が安定します。
心理社会的療法
心理社会的療法は薬物療法と併用して行います。早期に開始することにより、再発防止に繋げることができます。
心理教育
心理教育とは自分の病気を受け入れ、病気を自分の意思でコントロールできるようにすることを目的とします。病気を理解し、早期に取り組むことが大切です。自分自身を客観的に捉えることが重要です。
家族療法
家族療法とは家族と共に回復を目指すことを目的とします。特に激しい躁状態は家族に大きな負担を与えます。病気を対し、家族の理解を深め、回復に協力体制を強めてもらうことが重要です。
認知療法
認知療法とは否定的な考え方を辞め、ポジティブな思考をに身につけることを目的とします。うつ状態では、どうしてもマイナスな思考ばかりが浮かんでしまいます。肯定的に物事を捉えることがうつ状態を乗り越える第一歩となります。
対人関係、社会リズム療法
対人関係、社会リズム療法とは生活リズムを整え、対人関係のストレスを軽減させることを目的とした治療法です。
双極性障害の発症は対人関係でのストレスが誘因の場合が多くあります。そのため、自分の周りの友人、職場や学校関係の人と、良好な関係を築くことにより、病気を理解してもらい、サポートを受けることができます。これにより症状の改善や予防をすることができます。
社会リズム療法は、自分の生活リズムを見直し、どのような状況で生活リズムが崩れるのかを把握します。それにより心情の変化も把握し易くなります。
東洋医学と双極性障害
東洋医学による双極性障害の施術は、主に自律神経の乱れを整えることです。
双極性障害を発症してる方はストレスによって自律神経が乱れていることが多いです。交感神経と副交感神経のバランスを整えることによって、精神的、肉体的ストレスを上手にコントロールをすることができるようになります。
当院では、『自律神経測定器』を持ち入り、交感神経と副交感神経のバランスの状態や変化を確認します。自分がどのくらいのストレスを受けているかを身体的、精神的に把握することができるので、自分では気づきにくい身体の状態が目でわかります。その結果により、施術の効果を分かりやすく可視化し、施術方針を決めることができます。
双極性障害の再発率は8割というデータがあるほど、再発率が高い病気です。一時的に良くなったと思い、治療をやめてしまうのではなく、長期的に病気と向き合い治療を続けましょう。
病院での治療と鍼灸での施術を組み合わせることにより、根本的な改善が見込めます。当院では経験豊富な鍼灸師が対応致します。ぜひ一度ご相談ください。