東洋医学の生理物質 精・気・血・津液
生命活動するうえで欠かせない物質が精・気・血・津液になります。
西洋医学とは違い東洋医学では精や気などといった考えがあります。この生理物質が弱まることや欠けると症状が現れます。
倦怠や疲労もこの生理物質から原因を探してみると心当たりがあるかもしれません。
ただ単純に疲れや倦怠程度に思っても、数日から数か月間と続いてくるとただの疲れではなく日常生活に支障が現れるようになります。
また心身ともに健康であることが本質ですので、身体の疲労や倦怠は続くと精神を蝕んでいくので、なるべく早く解消することをおすすめします。
精とは
身体にある様々な組織や器官を滋養する働きを持っています。生命活動を維持するのに最も基本的な物質と考えられています。
精という表現は中々捉えにくいと思いますが、エネルギーの源みたいなものです。
父と母から受け継いだ精から食物から得られる精が各臓腑や生殖に関係します。また組織を滋養する作用によって生理機能が正常に働くようになります。必要に応じて血や気にも変化します。
そのため精が不足するとエネルギーが作りにくくなることから虚労といた倦怠感や無力感が現れます。
精が不足してしまう原因として
・食生活の乱れや飲食不足
食からエネルギーの源である精を産生するため十分に得られないと精が不足してしまいます。
・長い間床に臥す
長く患うと気が消耗されてしまいます。また過労も同じことで働きすぎるとある一定以上は気が損傷しますので精も同じく減少してしまいます。
・生まれながらに不足
これは先天性の不足になります。
・出血や嘔吐、下痢など
体内の生理物質が大量に失われると補充しようと精も減少してしまいます。
・体内で熱が発生する
熱がでると体内を滋潤する陰液が損傷します。精は陰液になりますので熱の発生によって精も損傷する事になります。
血とは
全身を滋養させる役割で豊富な栄養分を持っています。血は気の作用で循環します。
滋養作用が上手く働いていると血色があり、肌や髪が潤いを保てます。また筋肉も丈夫になりますので運動感覚なども血の滋養作用に影響されます。
血は食べ物から作り出されるので食事内容や量など食生活が反映されます。量が足らなければ盛衰に関係します。辛い物や濃い味付けが多いと血が熱の影響を受けます。
血が悪くなる原因は
・飲食物の摂取不足
・過労によって血が消耗
・熱や寒さに影響される
・辛い物や味付けの濃いものが多い
血は臓器の働きによって生成されるので、臓器が悪くなると血も足らなくなることや滞る原因になります。
血を作って血を貯めて血を動かしてなどは全て臓器の働きや気の力を使います。
気とは
生理活動の原動力となるのが気です。気とは絶えず動く性質でこの運動を気機と呼びます。
この気が上手く作られなかったり、動きが悪くなると身体に不調が現れます。
気には様々な役割を持っていて、役割によって呼び方も変わります。
・根本的な生命活動の原動力になる気を元気と言います。
・胸中に集まり呼吸を行う気を宗気と言います。
・全身を巡って栄養分を持つ気を営気と言います。
・外からの刺激に侵入を防ぐように働く気を衛気と言います。
また各臓器にある気は臓器の頭文字と気を合わせた呼び方もあります。
このように全身に関係して生命活動の原動力になる気はどこにでも大切な働きをしてくれる大事な存在です。
この気が停滞する事や不足など足りなくなると病気になります。
気が悪くなる原因として
・飲食物の不足で気を作る量が減少
・大病や過労などで気が消耗
・大量出血や嘔吐で血や津液が損傷されて気も消耗される
・感情の変化が気機に影響して気の流れが鬱結される
・邪気によって滞る
などがあります。
その結果が倦怠感や疲労感といった身体の症状となって現れます。
鍼灸施術で体内のバランスを整える
上記で書いた倦怠感や疲労感などは体内の生理物質が上手く機能しないために起こると考えられるので
鍼灸によって身体の反応するポイントに施術して体内の生理活動が上手く働けるよう調整します。
身体に起こる様々なサインから倦怠感や疲労感の種類を判別して、原因に合わせた施術をすることが解消の早道です。
お身体の不調を感じた際や、原因不明で体調を壊してしまった方は鍼灸施術を試してみて下さい。