鍼灸師が解説するうつ病になる体質
東洋医学でもうつは難しい病気です。
ストレスは直接心に負荷がかかるため自然から発生する外的ストレスとは違います。寒さなどの外的ストレスはまず皮膚のバリアが機能低下を起こして入ってきやすくなります。次いで体内の巡る力が弱いと冷えが循環を悪くして滞りを作って症状が現れます。冷えが進行すると臓器に影響して下痢などに進展します。
このように外的なストレスにはいくつかの防衛ラインがあるのですが、心的なストレスは直接一か所に届集中して負荷がかかってしまうため難しくなります。
内側から身体を病にしてしまうのがうつ病の難しい理由です。
東洋医学では昔から感情によって病が発生すると考えられてきました。
情動を総称して情志と言います。この情志は五志・七情がありまして怒・喜・憂・悲・恐・驚などがあります。
この情志が長期間持続するか大きな出来事があると乱れます。上記に書いた感情の種類によって臓器が弱まります。また臓器が弱まると関係する情志が現れます。
怒 (怒る)
この感情と関係する臓器は肝になります。肝は気を巡らせて上昇させる役割があるので、機能が弱まるとイライラと怒りやすくなることや躁状態になりやすいです。
イライラしやすいと肝を弱めます。逆に少しの事で怒る人は肝が弱まっているとも考えられます。
怒りなどの感情が続くと気が上昇してしまうのが特徴です。
喜 (喜ぶ)
喜ぶ感情と関係する臓器は心になります。喜びの感情は気を緩ませるので心のように全身に血を送り続ける際に適度な緩みが関係してきます。
これも過度に喜びが続くと緩み過ぎてしまい血が上手く送り出せなくなると身体が悪くなってしまいます。
血の滋養が低下すると精神のコントロールが出来なくなります。
思 (思う・考える)
思と関係がある臓器は脾になります。考えすぎると気が鬱結しやすくなります。鬱結とは、ふさがってとどこおる状態です。脾の機能に固摂があります。中に固めるという機能です。
脾は食事に関係しますので思慮過度が続くと食欲不振に繋がります。脾の機能が弱まると小さなことで考え込むようになります。
憂 (憂える・心配・不安)
心配や不安の感情に関係するのは肝・脾・肺になります。この臓器が弱まると心配性になりやすいです。
臓器の機能が正常であると心配や不安も治まりやすいです。
三つの臓器の中でも肺は気を全身に布散する機能がありますので心配や不安が続くと気が鬱滞します。
鬱滞とはふさがりとどこおる状態です。
悲 (悲しむ)
悲しみと関係する臓器は肺になります。肺は上で書いた憂と同じような事になりますが、悲しみの場合は号泣や心配してため息が多くなります。
過度な悲しみによって気の消耗が起こります。
恐・驚 (恐れる・驚く)
恐と関係する臓器は腎になります。恐が多いと気は下降してしまします。
腎は貯蔵や保存する機能があります。また臓器の中で下にあるため恐れて気が下降しやすくなると心を滋養しにくくなり、小さなことで恐れる事やオドオドした態度になりやすいです。
驚は、ビックリした・驚いたなど一時的なものですが腎の供給が不十分になると動悸や失禁などの症状が現れます。
情志の失調
一番初めにも書いた通りうつ病は難しい病気です。
東洋医学の考え方にある情志というのは、通常外からのストレスによって病気の原因にはなりづらいと考えられています。
それほどまでに昔と現代では心(脳)のストレスのかかり方が変化していると思います。
情志とは外の刺激対する反応で起こる情緒のことを言います。昔のように身体に受けるストレスだけなら直ぐに対処出来て快方に向かいますが、現代のように精神ストレス過多の時代では中々病気の原因であるストレスを無くすことが出来ません。
東洋医学に心と身体の密接な関係がありますので、病になった時も治し方があります。ですがストレスがかかり続ける事によって治るスピードよりも悪くなるスピードが上回ってしまうと施術の効き目も中々現れてくれません。
体質を知って病をなおす
現れている症状から体質を知って施術する事がうつ病治療で重要になります。
関連する臓器の失調を治して情志を回復するようにします。ここが東洋医学の素晴らしいと思うところで
情志が悪くなると臓器も悪くなります。逆に臓器を良くすれば情志も良くなります。この関係性を頼って心が回復させることができるのです。
一方方向では治る事は出来ませんが、身体や臓器を回復させることで情志も良くなるのです。
うつ病といっても現れる症状は人それぞれ分かれます。大きな気分障害は同じですが併発する症状によってその方の体質を見極めて施術する事がうつ病には重要になります。
うつ病でお悩みの方は三軒茶屋α鍼灸院へお越しください。
三軒茶屋駅徒歩2分と通いやすい立地です。
また21時まで受付ておりますので仕事終わりの方も安心して通えます。